「アルゼンチンのしたたかさ」FIFAクラブワールドカップ2009決勝 エストゥディアンテス-バルセロナ(1-2)

試合を見る前に結果は知っていたけど、得点経過までは知らなかったので、いつバルサは追いつくんだろうかと思いながら見ていたら試合終了間際の時間まで得点が入らなかった事に驚いてしまった(笑)。
確かにバルセロナはCLやクラシコで見せる姿に比べるとコンディションはあまり良くないようで、前半から後半最初の時間帯にかけては各選手のフリーランやパスコースを作る動きが少なく、特にアンリなんかは左サイドでぼーっと立っているだけでパスワークにほとんど参加する事が無い状態ではあったが、エストゥディアンテスの守備が良かったのも特筆すべき点だった。
エストゥディアンテスの守備は、3バックを主体としつつも選手の動きは非常に流動的で、常にサイドのスペースをケアしながらもボールホルダーへの激しいチェックを怠らないハードワークぶりとベロンから繰り出される長短のパスによるカウンター戦術が徹底され、オフサイドっぽかったとは言えワンチャンスで得点を決めて守り切るという、彼らにとってはコレしかない展開に持ち込む事に89分間までは成功していた。
ところが、最後の最後でヘディングクリアミスがピケに渡ってしまい、ペドロが冷静にボールを浮かせて決めたところは、当然エストゥディアンテスにとっては不運であるのだが、数々の修羅場を潜り抜けてきているバルサの底力、経験を感じざるを得なかった。
延長になると、足がつったベロンを初めとしてエストゥディアンテスの足が止まってしまい、バルサの攻撃を止められなくなって敗戦を喫してしまったが、決勝点を決めたメッシが、そこまで110分を戦ってきたのにファーサイドで長い距離を走り、相手の守備を振り切ってゴールへと飛び込む執念、嗅覚を見せられると、才能があってもそこまで貧欲に努力しないと世界の頂点には立てないのだなあと痛感せざるを得なかった。
やっぱりこういう試合を見てしまうと、バルサの才能にしてもエストゥディアンテスのしたたかさ、個人守備戦術にしても日本は遠く及ばないわけで、これで世界4位ってどーすんのって思ってしまうよなあ・・・つーか、中村もメッシのように体のどこに当ててもゴールを決めるんだという気持ちとプレイを見せて欲しいものだよなあ。