「ちびっこでも引かれても関係なし」国際親善試合 スペイン-アルゼンチン(2-1)

アルゼンチンがギリギリで南米予選を突破したと聞いて、メッシやアグエロを始めとして綺羅星のようなスターを揃えていながら、何をどうやったらそういう成績になるのか理解できないでいたが、実際に試合を見てみるとその成績にも納得せざるを得なかったね(笑)。
特に前半は、アルゼンチンは4-4の2ラインで組織しているのは分かるのだが、各選手のアプローチが全く連動していないので、たまたまある選手のエリアにボールが来て、たまたまプレスが間に合ったらボールが止まるという状態になっているので、スペインはまるで工事現場のパイロンを相手にパスの練習をしているような状態だった。
アルゼンチンは攻撃でもメッシは2ラインから遠く離れた位置で完全に孤立し、攻撃らしきものと言えばスペインのSBが上がったスペースへとディマリアを走らせるパターンだけで、スペインには前半だけで3~4点は入ってもおかしくないぐらいの一方的な展開だった。
スペインが先制点を決めてからはアルゼンチンにも意地のようなものが感じられるようになり、それまでの腰が引けたなんちゃって2ライン守備からマンマーク気味に前に出る守備に切り替えると、ようやく持ち前の1対1での粘りが見られるようになり、一度はPKで追いつきはしたが、スペインに審判の帳尻あわせのようなPKをその後に与えられて結局は1-2で順当な敗戦に終わった。
いや~しかし、アルゼンチン国民の絶望感はとうてい他人事とは思えないよね(笑)。しかも材料の質に対する出来上がりの劣化度合いははっきり言ってジーコジャパンよりも酷いんじゃないかと思うし。まあ、それでも日本とは違って選手の経験やスキルが段違いなので、ブラジルのように本大会の中で間に合わせる可能性が0とは言えないけれど、自分なら間違ってもアルゼンチンの優勝には賭けないな(笑)。
スペインは引いた相手に小柄なチームはこう崩すんだよという、日本の南アフリカ戦に対する反面教師のようなサッカーだった。要は、シャビアロンソとシャビによる絶妙なボールキープと散らしでポゼッションを保ち、サイドからシルバとイニエスタがスピードに乗ったドリブルとワンツーで狭いスペースの中をあっという間に切り裂いてしまう、そういう能力が無ければチビッ子で勝つ、という風呂敷を広げちゃいかんという事なんだよね。
それにしてもスペインは、トーレスやセナが怪我で不在、セスクがいまいちフィットしてない感じはあるけど、それでもこの強さこの豪華さ。監督はオーソドックスな手腕に定評があるデル・ボスケだし、来年は間違いなく優勝候補筆頭だろうね。うらやましいなあ・・・