「宇佐美に始まり宇佐美に終わる」U-17ワールドカップ グループB メキシコ-日本(2-0)

今大会の日本の敗因として一番に挙げられるのは、まず日本のいつもの課題であるGKとDF陣の経験不足、人に対する弱さという事になるのだろうが、世間的に見れば、やはり大会前から絶対的なエースとして注目を集めていた宇佐美の不発という事になるのだろう。
メキシコの選手は日本と同じような背丈と体格ながら、ボールのキープ力やフィジカルで日本を上回り、前半の日本はボールキープもままならずにメキシコに決定的な場面をいくつか作られてしまっていたので、単純な実力で言えばメキシコが日本を上回っていたのでそれほどもったいないという気はしない。
が、日本のほうにも決定的な場面は多くあり、前半の宇佐美が放ったシュート2本や、後半開始早々に訪れた超決定機の数々も、相手GKの素早いカバーに防がれたり、クロスに対して一歩及ばなかったり、シュートの精度が無くて点を決められず、72分に訪れた宇佐美のシュートも枠を捉えられず・・・
メキシコ戦のGK渡辺は、嘉味田に比べると普通のGKの働きはしていたけど(笑)、日本の守備陣の能力からしても1試合0失点のままで終わるはずはなく、スイス戦と同様に取るべきところで点を取れないと勝ち運が逃げてしまう、という典型的な前輪駆動チームの敗戦パターンで大会を終えてしまった。
まあ、それはオフザボールの動きが無くて守備でもあまり働かず、でもボールを持たせたら天下一品(ブラジル戦以降は疲れなのかキレが落ちてはしまったが・・・)の宇佐美を不動の中心に据えていた以上はある程度覚悟すべきことであって、その諸刃の剣をカバーするために必要なチーム力を整えられなかった監督を初めとする首脳陣に、本当の責任があるんだけどね。
それにしても協会は毎回毎回、ユース世代を協会肝煎りのアマチュア監督を育成する手段にしているけど、奇しくも同じナイジェリアでトルシエが準優勝に導いたU-20ワールドユースも、黄金世代と騒がれながらアジア予選で清雲監督が散々な内容を見せていたという経験から、何の反省も向上も見られてないんだよね。よく、こんな指導体制でW杯に連続出場してるもんだと、ある意味感心せざるを得ないよなあ(笑)。
しかし、日本の選手は相変わらずひ弱で守備時の人への当たり方やボールキープ時の体の使い方といったスキルはなってないけど、強いボールを足元に止めるトラップや、トラップから前を向く技術は年々向上していて、素材としては楽しみな選手が多いよね。
本当はユース世代全般を、オシム・・・は無理としても百歩譲ってトルシエのような選手を甘やかせない・選手に舐められない監督に任せるのがいいんだけど、まあ協会はそんな事はやらないんだろうなあ(苦笑)。