「とにもかくにも経験不足」ACL2009準決勝第2レグ 名古屋-アル・イテハド(1-2)

4-0以上で勝たないと次には進めない名古屋は、11人の選手のうち7人を攻撃的な選手で揃える、2-4-4とも言うべき超攻撃的布陣で臨んだが、結果的には返り討ちにあってジ・エンドという結末になってしまった。
序盤の名古屋は、当然ではあるがとにかくハイペースで攻め込んでサイドから巻とケネディのツインタワーにクロスを徹底的に放り込み、クロスバーに当たったケネディのヘディングなどのチャンスを多く作り出したのだが、20分ごろからは徐々にそのペースも落ちてしまい、何故か中盤で弱気なパスをつないではミスをしてカウンターを食らうという嫌な流れになってしまった。
そして、43分と後半14分に、アル・イテハドに単発のチャンス、しかも選手が注意深くプレイしていれば十分防げた点を決められてしまったのも、名古屋の試合運びのまずさ、経験の少なさが如実に現れていたといえる。特に1点目の場面で、多分巻だったと思うが、軽率な浮き球のワンタッチパスをミスした時に、一瞬ガックリと頭を垂れて立ち止まり、それから思い出したようにアリバイ守備に戻って行った場面にはガッカリさせられた。
Jリーグでは攻守共に忙しい試合が多いので、1つのミスからカウンターを食らって失点という場面は、試合の流れの中では単なる偶然の一場面にしか過ぎない感じではあるが、中東のようにチーム自体がカウンターを得意とし、前線にスピードと決定力を備えた選手がいる相手では、自分のミスを決して他人任せにしてはいけないという事を学習しておく必要があったはずだ。
まあ、名古屋のほうにはバヤリッツァや楢崎の欠場という大きなエクスキューズはあったにせよ、とにかく個人能力でも経験でも、今回は素直にアル・イテハドのほうが上だった。名古屋はまだ監督もチームも経験が浅いし、ボランチの実力や選手層の薄さを考えると、良くここまで来れたと思う。次のACLは事実上天皇杯の優勝しか道が残されていないし、天皇杯を取って来年のACLに出られたとしても、今年以上の失速が待っているかもしれないけど、地道で計算高い戦略はピクシーには似合わないし(笑)、是非天皇杯でガンガン行って欲しいところだね。