「まさにマジックというよりは強運」ACL準々決勝第2レグ 名古屋-川崎(3-1)

確かに形の上では、先の鹿島戦で玉田や小川など4選手を休ませ、後半には一気に2人のボランチを変える大胆な采配に出たピクシーマジックのおかげという事になるのだろうが、内容的にはそれが決して上手く行っていたわけではなかった。
この試合での名古屋は、鹿島戦で機能していた三都主ボランチを続行してスタートしたが、雨の中でパスをつなごうとした名古屋のミスから怒涛のカウンターを見せる川崎を止められず、中村憲に自由なプレイをさせてしまって、何度も数的優位からのピンチを作られてしまっていた。
ここでもし失点していれば半分試合は決まったようなもので、ピクシーの采配が裏目に出た可能性は高かったのだが、前半と後半のスタート時に同じような形で多くのチャンスを作った川崎は、結局そこでは得点できずに連戦の疲労からか15分を過ぎるとめっきりペースが落ちてしまい、徐々にケネディの頭やポストを効果的に使い出した名古屋がペースを握り、ケネディのマークにつられた川崎のミスを上手く生かして得点を重ねて行った。
そういう意味ではピクシーの運とケネディ、そして川崎の猛攻に対して粘りの守備を見せた名古屋選手の応用力が大きかった勝利かもしれないが、個人的におっと思ったのは名古屋のサイドの使い方で、名古屋の先制点の場面では小川の外側に田中が並ぶ事により、マークが分散されて小川がフリーでミドルを打てたわけだし、3点目の田中のクロスは言わずもがなで、守備を固めるチームに対する攻略法の定石である、相手のサイドのさらに外側サイドを攻めるというやり方が徹底されていた事だ。
この戦法に関しては私もここで再三有効性を指摘しているのだが、何故かパッサーが豊富なはずのジーコジャパンでも岡田ジャパンでも、アジアに対してこういうやり方が行われた形跡が無かったのに対し、そんなにサイドチェンジが得意でない名古屋がそれをやり切っているのは、さすがにピクシーは運だけじゃなくて勘所を良く分かっているよなと感心してしまった。
川崎はチャンスでの決定力不足に加え、選手交代が35分からの2人だけの投入になってしまうなど、リーグを始め全てのタイトルに勝ち残っているが故の連戦なのに、選手のローテーションも交代も出来ない選手層の薄さがここに来て大きくあらわになってしまった感じ。そういう意味では、選手層は決して厚くないのに大胆なローテーションに出たピクシーのほうが、修羅場をたくさん経験したゆえに肝が据わっているんだろう。
これで名古屋の次の相手は、ホームでブニョドゴルを4-0で粉砕した西アジア最強のアル・イテハド。名古屋にとっては最大にして最強の関門だが、先にアウェイの試合があるのはプラスポイント。中東のチームは伝統的にアウェイは強くないので、まずはきっちりとアウェイで耐えて、ホームで一気に差し切りと行きたいところだろう。

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