「いつまでもかみ合わない歯車」J1第23節 広島-浦和(2-1)

浦和は7月半ばから成績が低迷し始めたと聞いていたが、ここまで悪い状態だとはさすがに想像できなかった。
と言っても、選手個々のプレイがそれほど悪いというわけではなく、とにかく選手同士の信頼関係もオートマティズムのレベルも低く、選手とボールの動きが広島に比べても格段に遅く、結局ダイナミックで早い動きが無いので広島守備陣の間にスペースを作り出す事ができず、結局ボールを支配はしても実効的なチャンスの数は非常に少なかった。
広島はそれとは正反対で、ボールと人の動きによどみが無くて度々カウンターからチャンスを作り出しており、ミスがらみとは言え2点を取ったのは浦和との内容の差を考えても妥当な結果だろう。
後藤氏は、フィンケ監督と選手とのコミュニケーションが取れていないのではないかと書いているが、監督も含めてチームの中には全てにおいて不信感が満ち溢れているように思う。試合後の談話では、エスクデロがPA内でファールされたのに倒れなかった、という監督の言葉が見られたが、そこまで追い詰められているのか、という感じだ。
残念ながら、こういうチーム状態に陥ってしまったらそうそう特効薬は無い。もっとも、ちょっとした勝利で簡単に浮上したりもするのだが。とにかく今浦和に必要なのは、クラブがフィンケ続投で行くつもりならば、監督を完全に信頼しているという旨の生命を出す事なのだが、「結果が出なくて監督の責任がゼロというのはありえない」と、完全に逆の事をやっているようではどうしようもない(苦笑)。
どんな名将でも、指導が合わない、結果が出ないチームというのは必ずあるものだが、エンゲルス以来結果がなかなか出ない浦和の場合は、もっと別の大きな理由があるように思う。これでフィンケ監督が評価されてしまうというのはあまりに気の毒に思えてならない。