「天国から地獄」J1第13節 FC東京-川崎(2-3)

この試合での東京のサッカーは、DFの高い位置取りからのビルドアップが徹底されていて、川崎のプレスをかわしつつ粘り強くパスを回し、ボールキープ率ほど決定的なチャンスは多くなかったけど何とか後半9分にカウンターから石川がゴールを決め、これで結果は決まったかと思われたのだが・・・後半12分に裏に抜け出したチョン・テセを後ろから引き倒したブルーノのPK&一発退場で全てが狂ってしまった。
これで東京は石川を下げて平山を右のSHに置いた4-4-1にしたのだが、この判断が完全に裏目に出てしまい、中途半端な守備しか出来ない平山のサイドで完全に川崎が主導権を握り、20分には梶山が不用意な位置でボールキープしようとしてファールを取られ、判定に不服を言っている間にリスタートされて谷口にミドルを食らって同点に。そして3分後には平山がマークに付ききれずに左サイドでジュニーニョが完全にフリーになってしまい、クロスをレナチーニョに決められ逆転と、絵に描いたような崩壊劇で終わってしまった。
東京の55分間はほぼ完璧だったのにそこから一気に崩れてしまったのは、確かに選手交代の影響もあるのだろうが、やはりFKの場面に象徴されるように精神面での甘さを感じざるを得ない。本来なら10番を付けている梶山がチームをプレイ的にも精神的にも引っ張っていくべきなんだろうが、どうもそういう気配は感じられないしなあ・・・まだまだ東京の迷走は続きそうだ。
川崎については、ACLに続いて中村憲の出来が低調でチョン・テセのプレイにも切れが無く、前半は攻撃陣をうまく操ることが出来なかったが、何とかブルーノの退場に助けられた格好。これからは代表の試合が続いて中村にはハードな状況が続くが、調子を維持してチームに戻れるかが後半戦のカギになりそうだ。