キリンチャレンジカップ2009 日本-フィンランド(5-1)

一応これは快勝としていてもいいのかな?
と言いたくなるぐらい、5点目のありえないファンブルを筆頭に、マンU戦での藤ヶ谷以上にゴール前にいて何の抵抗も出来なかったGK、いとも簡単に裏を取られてしまうDFラインと、湘南に負けたことも今となっては頷けるフィンランドのひどさが目立ってした試合だった。
とは言え、日本もバーレーン戦に比べるとはるかに状態が向上していたのも確かで、特に遠藤が加わったことの効果は大きく、それまでひたすら中村憲だけがパスの起点になっていた時に比べると、起点が遠藤との2箇所になる上に、遠藤と中村憲の間でのパス交換やポジションチェンジで、パスワークのリズムと選手の流動性が一気に高まり、1+1=2以上の効果をもたらすことが出来ていた。
そして隠れたヒットは橋本の起用で、中盤の底にどっかりと鎮座して動かない稲本や、ひたすらオランダ式に固定ポジションでの1対1にこだわる本田圭とは違い、中盤での流動的なポジションチェンジに上手く自分を合わせて流れを切らさないガンバでの働きがこの試合にはぴったりと当てはまっていた。
ただ、当然課題が全く無かったわけではなく、岡崎が先制点を奪うまでの流れはバーレーン戦同様にボールの引き出し方の工夫や意思疎通が無くて足元でパスを回しているだけになってしまっていたし、失点場面のように相手のロングボールやセットプレイで跳ね返した後の押し上げやプレスが不徹底で簡単にセカンドボールを拾われてしまっていたのは、オーストラリアのピム監督に対して大きなヒントを与えてしまった点だと言える。
また、前半にクロスバーに当てられたシュートの場面では、長友のサイドが皆上がってしまって戻れずに中澤が完全につり出されてしまっており、日本は流動性の高いサッカーだけに、ボールを高い位置で奪われた後のポジションバランスやマーキングを再確認する必要があるだろう。
あとGKがいないとかクロスからの形が全く出来てないとか課題はたくさん残っているが、連敗でどよ~んとした気分でオーストラリア戦を迎えるよりは良かったと前向きに考えておこう(笑)。