どうしてこう日本には是々非々が無いのか

いやはや、今は世界中どこを見渡してみても、オバマオバマ一色ですなあ。
経済状況が地に落ちたとは言え、やはり世界で最も大きな影響力を持つ国は依然としてアメリカであり、そこに変革の旗手として初の黒人大統領が生まれたのだから、世間の全てが注目するのも当たり前なんですけどね。
それにしても羨ましいのは、その大統領の就任式演説でオバマが話した内容に、まずアメリカの現状とそれに対する具体的な政策が前面に押し出されているところです。
これが日本だと、麻生さんもそれなりに具体的な所信表明演説を行ってはいるのですが、既にその中身は世間から完全に忘れ去られ、今や漢字が読めないとか給付金がどうとか、派遣村がどうだとか、解散総選挙だとか枝葉末節の話しか聞こえて来ない状態ですからねえ・・・アメリカの全てがいいとはもちろん思いませんが、理念の国らしく考え方の全てが本質へと向いている点については敬服するしかありません。
サッカー界でも、ちょうど宇都宮氏によるフットボールカンファレンスの記事が出ていて、そこで育成の課題として「(1)1対1の攻防、(2)ゴールへ向かうプレー、(3)ボックス周辺での攻防、(4)チャンスを感じる力/リスクを冒す勇気」というのが挙げられていましたが、やっぱりサッカーも政治と同じく枝葉末節の話しか出来ないのかな、と悲しい現実を思い知らされました。
今までのユースの世界大会の試合を見ていても、特に大熊時代以降は、別に日本は特別攻撃が消極的では無かったわけだし、それよりも個々の守備力だったりメンタル面の不安定さに問題があったように思うんですけどねえ。1対1とか試合の流れを読む目やリスク管理というのは経験での蓄積によるところが大きいわけで、日本の育成に求められる人材と言うのは、その経験を指導でカバー出来る人材だと思うのですよ。
ユース世代において、相手に気力負け、当たり負けしないように指導する事に唯一成功したのがトルシエだったんだけど、W杯以降はマスコミや協会を含めて「フラット3は失敗、トルシエはキ○○イ、ユースは実質山本氏のおかげ」みたいな論調で全てが否定され、山本氏がアテネで失敗すると今度は山本氏までもが無かった事にされるなど、本質的な是非論というものが全く無く、ひたすら刹那的な評価に終始しているのにはあきれ返るしかありません。
「表面的な育成メソッドでなく、むしろネガティブな現実から目をそらさず、真摯(しんし)に受け止める姿勢ではないだろうか。」と宇都宮氏は看破してますが、ず~っと前から協会はフル代表も含めて変わってないのだから絶望的ですわな。
もっとも、未だに○○信者という言葉が掲示板を跋扈していたり、オシムはアジアカップで4位に終わったから無能、みたいな話が大手を振ってまかり通っているぐらいですから、この国民にしてこの協会、この政治なのかという気がしてしまうんですけどね(苦笑)。