全国高校サッカー選手権 鹿島学園-大津(2-1)

今回の高校選手権を見るのはこれが初めてだったが、Jユースに比べるとレベルが低いとの評判が信じられないような好ゲームだった。
まだJユースカップの大阪ダービーは全部試合を見れていないが、確かに単に止めて蹴るという技術だけならJのほうが上回っているが、大津のルーズボールに対する反応スピードやゴール前には必ず4人は詰めていく攻守にわたる運動量、そして鹿島学園のコンパクトで徹底してサイドを封じ込める守備組織や選手一人一人のボールを持った時の落ち着きなどは、Jユース組にはなかなか見られない逞しさを感じた。
今年のU-20代表が典型例だが、若年層世代のチームというものは、自分達が気持ち良くサッカー出来ていると非常に強いんだけれど、それが90分持つ事はまれな上に、いったんプレイリズムが崩れてしまうと一気に弱体化するひ弱さがあるのだが、大津は80分間愚直に自分達のスタイルを貫いていたし、鹿島学園は大津の圧力に粘り強く耐えながら、隙があればしっかり攻撃に人数をかけられるメンタル的なタフさと反発力があった。
試合は開始わずか2分で守備の一瞬の隙から先制された大津が、得意のセットプレイで同点に追いつき、その後もボールへの集散で上回ってチャンスを作りながら決められ無かった事が響いた格好になったが、試合のうまさという点では鹿島のほうがわずかに上だったように思う。
かつての国見だとか野洲だとか、トレセンの金太郎飴サッカーにはまらないスタイルのサッカーが見られるのが、やっぱり高校選手権のいいところだよね。高校不要論とかも度々出てくるが、今の日本では両輪が互いに切磋琢磨する関係のほうがいいんじゃないだろうか。