J2第43節 山形-熊本(1-1)

勝てばホームでJ1昇格を決められるとあって、大観衆で埋まったNDソフトスタジアムだったが、結果は残念ながらの引き分けで次節以降に昇格は持ち越された。
前半の山形はさすがにプレッシャーがあったのか全員の動きが固く、いつもなら高い位置からのプレスでボールを奪ってサイドのスペースに流れる長谷川や豊田のFW陣に素早くボールを送るサッカーを見せるのだが、守備が待ち受けるような形になってボールの奪いどころが低く、FWも前に張るばかりで精度の無いロングボールでの攻撃しかなく、ポジションバランスが良くてラインの上げ下げにメリハリがある熊本にセカンドボールを拾われる非常に苦しい展開。
それでも熊本のラストプレイの精度の無さに助けられて無失点のまま後半を迎えると、小林監督も多少は気合を入れたのか山形のポジションバランスが高くなり、サイドに流れる攻撃も増えて山形に活気が戻ってくる。が、好事魔多しで19分にカウンターから熊本の木島にDF陣が振り切られ、シュートはGKがトンネルと言う痛恨の失点を喫してしまう。
その後は再び熊本がペースを盛り返し、山形もなかなか反撃に出られないまま時間はじりじりと過ぎていく。そしてようやく40分を過ぎると山形のなりふり構わぬパワープレイに熊本も引かざるを得なくなり、43分に何とか豊田がクロスに飛び込み同点に追いつくゴールを決めるがそこまで。
せっかく40分からあそこまで熊本を圧死させたのだから、何故もっと早い時間に山形はごり押しで行けなかったかとも思うが、まああの状況ではなかなか選手もスイッチを切り替えられなかっただろう。残り2節で3位仙台との勝ち点差は5、しかも相手は下位チームと山形の圧倒的優位は変わらないが、そういう時に限って足をすくわれるのがサッカーの倣い。次きっちり勝って昇格を決めたいところ。
熊本はここに来て8戦負け無しの快進撃。この試合で見せたポジションバランスとハードワークが利いたサッカーはJ2下位に沈んでいるとは思えない出来。是非来期は得点能力のある外国人を補強して地元人気に弾みをつけて欲しいところだ。