J1第31節 柏-名古屋(2-1)

名古屋は最近勝ち星を挙げられていないが、その理由が納得できた内容だった。
名古屋の攻撃は、まずボールを持ったらサイドに大きく展開し、そこから中を経由して早いタイミングで再びサイドのスペースへと飛び出す形が定着しているのだが、柏はそこを良く研究していて、まずサイドへと出されたボールにきっちりとマークを付け、名古屋が詰まって中へと戻すボールに対してもチェックをかけるようにしていて、名古屋のスピードを殺す狙いが徹底されていた。
名古屋はそれでも32分にカウンターから先制点を挙げ、後半になってからもギヤを上げてフランサが怪我で下がって攻撃の起点を失った柏のプレスに対して出足で上回る攻めを見せていたのだが、ハイペースで飛ばす展開がたたったのか、後半の34分に菅沼に同点ゴールを許すと、その直後にもカウンターからあっさりとボボに得点を決められ、優勝争いから一歩後退する負けを喫してしまった。
名古屋は先制してから攻撃の核であった玉田とマギヌンを下げた采配が完全に裏目に出てしまった形だが、柏が名古屋のパス回しのコースを研究していた事に対して、無理にペースを上げることで対処しようとした弊害が出てしまった事が大きかったように思う。
やはり優勝争いを確実に勝ち抜くには、チームとしての基本的な攻撃の形はもちろんだが、選手が臨機応変に複数の攻撃パターンを作っていくような応用力が必要になるわけで、攻撃パターンはサイドと中のパス交換、ボールのキープどころはマギヌン頼みという今の現状から、どこまで厚みを付けていけるかが今後の課題なんだろう。
柏は名古屋を良く研究してマークを怠らなかった事はもちろんだが、最後まで力強いカウンターを仕掛けられる体力が素晴らしかった。これでようやく降格圏内から脱出したわけだが、この試合で見せたような規律やプレッシングのベースがあれば来期はここまで苦しむことも無いはずだ。
残念ながら名古屋はここで優勝争いから一歩後退の結果になってしまった。