ACL決勝 ガンバ大阪-アデレード・ユナイテッド(3-0)

結果的には文句無しの快勝で鹿島の成績とは実に対照的だが、当然ながらガンバと鹿島との戦力差はそこまで大きくは無いわけで、ほんの少しのディテールが増幅されての結果になった試合だった。
まずガンバにとってラッキーだったのは、ダブルボランチがそっくり欠場したせいか、アデレードが高い位置からガンガンプレスをかけるわけでもなく、べったり引いてスペースを消すでもない中途半端な守り方で試合に入ってくれた事。
これでガンバは苦手の立ち上がりでリズムをつかむ事が出来、ルーカスの先制ゴールへとつなげられた。ルーカスのシュートもDFとGKが反応していたが、DFの足に当たってコースが変わるラッキーもあった。そして遠藤のゴールはGKが一歩も動けない完璧なもの。鹿島もホームではああいったチャンスが無かったわけじゃなかったが、鹿島はそれを決められなかった。
アデレードは後半の最初から前に出始め、ガンバのミスをさそってあわや1点差という場面を作ったが、ガンバはフィジカルで押してくる相手に簡単には競り負けず、西野監督が次々に攻撃の選手を投入する攻めのメッセージを最後までしっかりと表現できていたのが見事だった。
ただ、主力が復帰してくるであろうアデレードホームでは、下手をするとこれと逆の結果になる可能性も無い訳ではない。この試合では佐々木や遠藤、加地、安田のコンビで相手のサイドを押し下げる事に成功したが、相手の中盤がしっかりして来ればその分サイドで劣勢に立たされる事になる。
それだけに、微妙な判定でオフサイドになってしまった遠藤のFKと、まるでU-17女子代表を思わせるようなコンビから生まれた山崎のシュートが入っていればと思うが、気を抜かないように戦うための点差なんだと気持ちを切り替えるしかない。
前半は相手が猛攻を仕掛けてくるだろうが、この日と同じように受身に入らず攻めの守備を貫いて耐えていれば、正GKが次戦に出場停止になるアデレードからカウンターで止めの得点を挙げるチャンスが必ずやって来る。単に攻撃サッカーを貫くだけではなく、アジアを心胆寒からしめるようなしたたかさを見せ付けて欲しい。