劣化版オランダと呼べる日本

北京五輪の日本対オランダの試合をようやく見ました。うん、この試合も悪くない内容だったと思いますよ。
当然オランダのほうがパスのスピードや1対1の強さで上回り、日本は終始押されながらの試合でしたが、局面局面ではしっかりと守ってオランダに好き勝手させず、中盤でのパス回しもきちんとつなげていてあまりミスが無い。
ナイジェリア戦でも書きましたが、少なくとも個人のタレントや身体能力以外の部分では、日本は世界の平均レベルに追いついた、つまり今回五輪で戦った、Jリーグでもオールスターにノミネートされそうな選手であれば、オランダやナイジェリアのU-23と互角に近いところまでやれるというのは、日本として誇ってもいいところだと思いますね。
ただ、やはりこの試合でも中盤から前線に供給する詰めのパスが、何となく中盤でのパス回しそのままのリズムで前に運んでしまっていたり、相手のパスをカットしたらすぐに放り込んでみたりと、ナイジェリア戦よりは早く攻めようという意思は感じられたのですが、あまりにシンプル過ぎてスペースを作ってフリーな選手を作ろうといったような策が無い。これじゃ、世界レベルのFWを持たない日本では、よっぽど相手が大きなポカでもしてくれない限り、どうやっても点は取れませんよ(苦笑)。
ボールを一瞬キープして相手を引き付け、その動きで空いたスペースに飛び込んだ選手に絶妙のタイミングでパスを出す、ショートパスのつなぎの間に大きなサイドチェンジを交える、足元のパスが続いた後にワンタッチで浮き球のパスをDFラインの裏へと送る、そういった緩急を付けられる選手がいればまた少しは違ったんでしょうけどね。
中盤にクリエイターがいなくて緩急が無い、FWにスーパーな人材がいない、そして見ていて楽しくない(笑)という点では、まあ日本も劣化版オランダという位置付けまでは来たのかなあと思った週末でした。