北京五輪男子サッカー グループB ナイジェリア-日本(2-1)

今日はA代表のウルグアイ戦だけど、その前にまずはナイジェリア戦の出遅れレビューを。
もし生で見ていたら腹が立って仕方が無かったかもしれないが(笑)、結果を知ってから見たせいか、負けたとは言えそれなりに評価出来るポイントが多かった試合だった。
日本のDFラインとボランチからの球出しはなかなかスムーズに出来ており、ナイジェリアの守備に甘さはあったにせよ、前半31分に安田のクロスから谷口が合わせた決定機のように、サイドのオーバーラップを引き出して何度か惜しいチャンスを作っていた。
守備でも、間合いをあけてしまうと個人能力の差でぶっ千切られてしまう事はあったが、マークの範囲に入っている選手についてはフィジカルで簡単にはやられずに粘り強く守れており、クインシーにぶち抜かれていた世界ユースのように、1対1で抜かれては人数をかけて何とか守っていたような、今までの若年層世代の試合とは違う逞しさを見せていた。
シドニーからアテネ、北京と下がりつづけた成績に、谷間のまた谷間だと揶揄する意見が多く見られるが、こういう基礎的な個人戦術の平均的な向上が出来ている点については、日本サッカー、つまりJリーグが世界に対して着実に近づいている証拠であるように思う。
が、この世代が今までとは決定的に欠けているのが攻撃におけるタレントの部分。特に、攻撃の鍵を握るSHの機能不全があまりに痛すぎた。香川のタレントは疑いようは無いが、天津のピッチとナイジェリアのリーチに持ち味は全く引き出せず、本田圭は彼の悪癖であるボールの持ちすぎが顔を出し、カウンターのチャンスでも自ら攻撃を遅らせてしまっていた。
反町監督が彼らにどんな働きを期待していたかは分からないが、遠藤の代わりに中村憲でも本田圭よりは早い球出しが期待できただろうし、このピッチなら香川よりもフランスリーグを経験している梅崎のほうがまだ働けたはずだ。
FWとの組合せにおいても、李と谷口という素早い飛び出しに特徴がある選手を使うならば、もっと違った中盤の人選であるべきだし、監督をはじめとするコーチングスタッフのスカウティング不足、想像力の欠如は怠慢のそしりを受けても仕方あるまい。
まあ、何にせよ今号のナンバーでも安田や内田が語っていたが、サイド攻撃しか攻撃の形が無かった反町ジャパンとしては、ナイジェリアに大敗しなかっただけでも良かったと言えるんじゃないかな(笑)。ま、結果は想定内中の想定内で、内容は想定より若干良かったというのが正直なところ。