北京五輪女子サッカー準決勝 日本-アメリカ(2-4)

しかし、私が日本を離れる前は男子がアメリカに負けて女子がニュージーランドに引き分け、帰国したら女子がアメリカに完敗と、なんか疫病神になってしまってるんじゃないかと思ってしまうんだけど(笑)。
という冗談はともかく、アメリカと銀メダル以上をかけた戦いは、まあ実力的には点差どおりの完敗。だけど、もう少し運が味方してくれればアップセットの可能性もあったように思うだけに、なんとも残念の一言。
日本は序盤からアメリカに押されながらも、セットプレイのこぼれ球を大野が絶妙のトラップから決めて待望の先制点を挙げたが、ここからアメリカはラインを非常に高く挙げ、日本のロングボールやサイドチェンジの精度の低さを突いて前線にボールを全く与えず、次々にオーバーラップを仕掛けていった。
日本はこの凄まじい圧力に何とか耐えていたが、前半40分以降に精神的・肉体的にスタミナ切れを起こして立て続けに2点を入れられてしまった。どちらも日本の選手はPA付近にそれなりにいたが、最後の部分で体が相手に付いていけなかった。このあたりは男女含めて、グループリーグの試合に全てをかけている日本と、決勝トーナメントに照準を合わせている強豪との埋め難い差であろう。
ただ、3点目と4点目についてはGKがボールに触っているだけにもったいないという思いが強い。男子もそうだが、やはり体格と俊敏性、身体能力をを兼ね備えたGKの人材が日本には不足している事を痛感させられる。ロングボールの精度や中盤で回すパスの速度を含めて、日本が研究して行くべき課題だろう。
でもまあ、結局攻撃の形と言えばサイドのオーバーラップから人がいない中へクロスを挙げる事ぐらいしか出来なかった反町ジャパンに比べると、PA付近での2人目、3人目の動きや押し込まれていてもチャンスと見れば前線に人をかける思い切りは女子のほうが圧倒的に優れていた。
世界との差を見せ付けられはしたが、やるべきサッカーの方向性は迷走続きの男子とは違ってしっかりと固まっている。あとは地道に環境を整えてリーグをレベルアップし、経験と人材発掘の積み重ねを果たして行くしかない。そのためにも、まずは銅メダルという巨大な広告看板の獲得は欲しいところだね(笑)。