J1第19節 神戸-千葉(0-1)

中盤、特にボランチの位置でボールがキープ出来てパスを出せる選手がいないチームの場合、守りを固めてカウンターに徹するのか、運動量を上げてパスコースを作り、オートマティックにボールを前に運ぶのかという選択肢(五輪代表もこの方式だね)があるが、同じ悩みを抱える両チームの違いが実に対照的に表れた試合だった。
神戸は少し前までは完全なカウンターチームだったのだが、いつの間にかDFラインから中盤へ、そこから縦のボール交換を経てサイド攻撃といった素早いパス回しが出来るようになっていて、終始千葉を押し込んでサイドやCKからクロスボールを浴びせ続けた。
が、最近の深刻な得点力不足を象徴するかのように攻めても攻めても得点にはつながらず、逆にかつての神戸のように守備をしっかり固めてカウンターに徹した千葉が前半41分にPKをゲット。しかしここは神戸GK徳重が巻のコースを読んでナイスセーブ。
後半はさすがに神戸も運動量が落ちてサイドを深くえぐっての攻撃は少なくなったが、アーリークロスや中央突破でチャンスは作り続けるのだが、決定的なチャンスはことごとく千葉GK岡本とゴールの枠に防がれ、とうとう30分に一本のスルーパスに抜け出した巻がファーサイドの隅にゴールを決め、そのまま千葉が逃げ切った。
神戸は負けるときはこんなものといった典型的なパターンだったが、攻撃陣の得点感覚の欠如はかなり深刻。特に大久保は体の切れは良くてシュートも数多く打っていたのだが、どうもシュートの瞬間の集中力が欠けているように見える。本人は切り替えたつもりなのだろうが、どこかに五輪に対する引っかかりがあるのかもしれない。
千葉は新体制でようやく結果をゲット。まだ当分この引きこもりサッカーは続くだろうが、辛抱強く我慢のサッカーを続けながら内容の向上を図って行くしかないところか。