ツール・ド・フランス2008第15ステージ

いよいよツールの本番、アルプス山岳の第1日目、プラート・ネヴォーゾ頂上ゴールのステージ。
レース自体は、まず早々に4人の逃げが決まって一気に15分近くの差がついてしまい、超級のアニュエル峠ではメイン集団に大きな動きは無く淡々と最後の登りに向かってレースは消化されて行くが、下りでオスカル・ペレイロが落車して病院に搬送されるアクシデントが起こる。
そのせいでメイン集団の勢いが一時的に落ちて、残り80km地点で先頭との差は再び16分を超えてしまってほぼ逃げ集団に追いつくことは不可能になり、メイン集団の焦点は完全に総合争いに絞られる。
最後のプラート・ネヴォーゾに差し掛かると、メイン集団ではまるでマイヨジョーヌを保持しているチームのようにCSCがコントロールを始め、シュレック弟が登りを引きまくってエヴァンスとメンショフのアシストを振り切って早速彼らは丸裸に。
そこからはエヴァンスに対する他チームの攻撃が始まり、サストレやコールのスパートにエヴァンスは動けず、シュレック兄はエヴァンスを終始マークする走りでエヴァンスは四面楚歌。最後はコールとサストレ、少し遅れてメンショフがゴールし、シュレック兄も最後のスパートでエヴァンスに9秒の差をつけてゴール。マイヨジョーヌは結局シュレック兄の手に渡ることになった。
とは言え、この日総合争いの中ではトップでゴールしたコールが7秒差、エヴァンスが8秒差、そして6位のサストレまでがわずか49秒差の大混戦。今日は超級が2つあるとは言え下りのゴールで、明日にラルプデュエズのクライマックスを控えて大きな動きは無さそうだが、誰かの大逃げに便乗する形で総合争いの中に変化があるかもしれない。
いや~、それにしてもエヴァンスはもちろん、コールやサストレ、メンショフといった今までグランツールで比較的脇役だった選手が総合争いの中でアタックを繰り広げる様は新鮮だね。強すぎる選手にドーピングの影が付きまとっている昨今では、こういう姿が本来のステージレースなのかもしれないね。