EURO2008決勝 ドイツ-スペイン(0-1)

ユーロ2008の決勝は、スペインが得意のパスサッカーでドイツを圧倒し、44年ぶりの欧州王座の座に着いた。
ドイツは、前半15分まではダイレクトパスを使った早いサイド攻撃でスペインを守勢に立たせたが、その後はセナを中心としたスペイン守備陣に対応され、自慢のクロス攻撃やセットプレイもこの日は全くの不発に終わり、後半半ば以降は運動量も落ちてパスミスが増え、何度もスペインにカウンターから決定機を作られるなど、ゲルマン魂のパワーがあまり感じられなかったのは残念だった。
2006年のW杯では、決勝に進出したイタリアとフランスが見せたような、4バックでコンパクトなゾーンを作ってしっかりと相手の攻撃を絡め取り、そこから手数をかけない早い攻撃で攻めるカウンターサッカーが猛威を奮ったが、今回のスペインの優勝によって、FWが動き回ってスペースを作り出し、そのFWと中盤で織り成す早いパスワークでポゼッションする事で、ゾーンを高い位置に押し上げつつトータルでの運動量を節約し、カウンターを受けた場合にもオフサイドトラップのリスクを犯さずに全員素早く戻るスタミナをキープする、いわば「逆カウンター」とも言えるサッカーがトレンドになった事を証明したのではないだろうか。
それにしても、スペインやアーセナルのサッカーが世界を席巻しつつある事実を見るにつけ、アジアカップであれほど批判を浴びながらもパッサーを並べ、彼らにひたすら走る事を要求していたオシムの先見性には驚きを通り越して恐れすら覚えてしまう。
ただ、日本がベースとすべきなのはスペインスタイルである事は確かなのだが、今の選手がすぐスペインのサッカーをやれと言われても不可能である。それよりも今の日本に欠けているのは、スペインよりも技術が劣っていることを認識していながらも、自分達の武器であるサイド攻撃を磨き上げ、狭いスペースを思い切り良く駆け上がって何度も突破を見せたドイツの姿勢である。
前方に広大なスペースがあるにも関わらず、遅い攻め上がりでサイドチェンジのチャンスを逃し、少しでもスペースが狭まったら立ち止まってバックパス、こういったホームバーレーン戦のようなサッカーをしていたのでは、スペインはおろかロシアの領域に達する事も不可能だろう。
岡ちゃんや代表選手ももちろんこの試合は見ているだろうが、スペインのプレイにばかり注目しないでもらいたいところだ。

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