欧州CL準決勝第2レグ チェルシー-リバプール(3-2)

しかし欧州の他のリーグ相手では、あれほど試合展開によって守備ゾーンの上げ下げを駆使して変幻自在のペース作りをするリバプールが、がっちりと堅い守備からドログバを中心とした鋭いカウンターを繰り出すチェルシーが、プレミア同士の戦いになるといきなり一本調子の攻め合いになってしまうのは何故なんだろう(笑)。
確かに激しく攻守が変わるスピーディーなプレミアサッカーは、エンターテイメントとしては面白いのかもしれないけど、エンターテイメント以外の部分に楽しみを見出しているような私のようなひねくれ者にとっては、実に戦評をしっかり書こうという気が起きなくなってしまうんだよね(苦笑)。
前半のドログバの得点なんかはまさにそんな展開からで、激しい中盤での争いとロングボール主体の大きな展開が互いに交錯する中でGKレイナがニアでも反応できないようなパワフルシュートを決めて先制。後半はリバプールがスペイン選手のテクニックを活かしてパスをつなぎはじめ、ベナユンの中へ切れ込むドリブルからの狭いパスをトーレスが一瞬のトラップからシュートで同点。
延長になってからは、雨が強くなってフィジカル的に優位に立つチェルシーにペースが傾き、4分のPKに続いてアネルカからのクロスをまたもドログバがレイナのどてっ腹を突き破るかのごとき強烈なシュートを叩き込み、リバプールは最後に意地を見せてバベルが連続攻撃から決めて1点差にするもそこで試合終了。
てな感じの全く詫びさびの無いひたすらエキサイティングな試合展開だったが(笑)、昨日のマンUにしてもそうだけど、本来リーグ戦で消耗して疲れているはずのチームが、戦力を温存したチームより走り勝っているのが不思議。とは言え、サッカーではそれは珍しい事じゃなくて、日本も今までアジアカップやワールドユースなんかで予選リーグの最終戦に選手を温存して、いざ決勝トーナメントになるときつい日程をこなしてたり、選手を温存できる余裕が無かった相手にあっさり負けたりするので、一概に休めばいいというものでもないんだろうね。
リバプールは第1レグでの終了間際のOGに、第2レグではパスワークが生かせない大雨と不運はあったが、やはりDF陣、特にエシエンやエブラあたりの旬な選手をSBに抱えるチェルシーやマンUに比べると戦力的に見劣っていたのは事実。ますます欧州を席巻しそうな他の3強に置いていかれないような補強が必要だろう。