FIFAクラブW杯3位決定戦 浦和-エトワール・サヘル(2-2PK4-2)

決勝には残れなかったが、アジアのプライドを示す意味で重要な3位決定戦。浦和は怪我の闘莉王の代わりに阿部が3バックのセンターに入り、右サイドには細貝、ボランチの一角に山田が入る形で臨む。
試合はいきなり開始4分に、カウンターから突破を仕掛けたシェルミティを坪井がPA内で足をかけてしまってPKを取られてしまい、引いた戦いを得意とするエトワール・サヘルにとって有利な展開に持ち込まれる。
当然、守備に重点を置いてFWまでもが積極的に守備参加するエトワール・サヘルの前に浦和はなかなか前にボールを運ぶことが出来ず、クサビに入れようとした緩いパスやトラップのミスを狙われてカウンターの場面を作られるものの、浦和も何とかシェルミティへのマークを厳しくして決定的な場面までは持ち込まれずに進行する。
フィジカルやキープ力といった個人能力で勝るエトワール・サヘルの前に、浦和はほとんどチャンスを作れずこれは最後まで得点できなさそうだなと思われた37分、突然セカンドボールが高い位置に居た相馬に渡り、そこからのクロスをワシントンがDFを弾き飛ばしながらヘッドでゴールを決め、浦和は実に浦和らしい決定力で同点に追いつく。
後半も相変わらずエトワール・サヘルのペースは続き、浦和は耐える展開を強いられる時間が続く。が、それを覆したのはまたもやワシントンで、やっとこさゲットしたPA外側からの永井のFKを頭でズドンと決めてしまう。
しかし、そのすぐ後にネネがシェルミティと交錯し、そのこぼれ球を拾おうとした都築と素早く立ち上がったシェルミティがまたもや交錯、そのボールを押し込まれて浦和は痛い同点に。その後もエトワール・サヘルがほとんどボールを支配したままで試合は終了、勝負は延長なしのPK戦に。結局浦和は4-2でPK戦を勝ち抜き、見事3位の座をゲットした。
浦和はとりあえず現実的な目標はしっかりクリアしたとは言え、エトワール・サヘルに比べて日程的に不利があった面はあるが、試合の内容や個人の能力でエトワール・サヘルに劣っていた事はしっかり反省しておく必要があるだろう。
フィジカルな面はどうしようもないとしても、パスのスピードやキープ力、判断のスピードや的確性についてはJリーグの中でトップクラスにあるとは言え、世界と比べればまだまだ足りない面が多かったことを認識させられた大会だったように思う。
来期は決定力では世界レベルだったワシントンが抜けてしまうが、彼に劣らぬ決定力を持ち、なおかつ戦術的に穴を開けない運動量やスピードを持ったFWの補強は急務だろう。是非素晴らしいビッグネームの獲得を期待したいところだ。