ナビスコカップ決勝 川崎-G大阪(0-1)

まずは、ガンバの選手および関係者、サポーターの方、ナビスコ杯優勝おめでとうございます。
ガンバのサッカーは戦術的にこれといった特徴を持っているわけではなく、序盤は相手の出方を見ながらじっくりと守って耐え忍び、いったん相手のスペースが出来る場所を見切ると、今度は選手がどんどんそこに入り込んでパスを受けるようになり、いつの間にかポゼッションを掌握してゴール前でボールにからむ人数を増やして得点するというパターンなのだが、安田の得点もまさにそのまんまのパターンの得点シーンだった。
このガンバのサッカーを打ち破るには、ガンバが攻撃を見切る前に得点してガンバのペースを乱すか、ガンバが見切るどころじゃないぐらいに強烈なペースとフィジカルで得点を重ねるかのどちらかなのだが、川崎は先制のチャンスがありながら決められず、その後もガンバのポゼッションに対して、例えばイタリアのチームが良くやるようにキーマンを狙い撃ちしてファールで潰すようなダーティな手段を使おうとしなかった事が最後までガンバのペースで握られた原因だったと言える。
もちろん、ダーティな手を使うほうが良いわけではないのだが、自分たちのペースを崩されることが一番苦手なガンバというチームが、一発勝負の積み重ねであるカップ戦を勝ち取ったことは、ある意味日本サッカーのクリーンな良さと、お人よしな弱さという部分が浮き彫りにさせたのではないかと思う。
まあ、それはナビスコ杯の賞金以外の価値というところの問題もあるのだろうが、ここ数年の決勝の動員や盛り上がりを見ても天皇杯と遜色が無くなっているわけだし、そろそろスケジュールやカップ戦優勝の実利の配分を協会には真剣に考えて欲しいところである。