J1第27節 神戸-清水(1-0)

かたや連敗から脱出、もう一方は連勝が途絶えと対照的な前節の流れで迎えた試合だったが、いかんせん現時点での力の差は大きく、前半の19分に右クロスからレアンドロのループ気味のパスを裏で受けた大久保が決めた先制点を、神戸が残りの時間でひたすら耐えながら守りきった結果となった。
神戸は押し込まれると全くビルドアップが出来ずに前に蹴りだすだけになる悪癖は相変わらずだったが、それでも中盤でボッティが前を向けるといい形を作れるようになり、いったん相手ゴール前までボールを運べば右SBの石櫃を中心にタイミングの良いサイドの攻撃参加を繰り出せるし、レアンドロと大久保の前への推進力も強力で、少しずつではあるが攻撃の形がさまになって来ているように思った。
清水は負けはしたものの、強力なフィジカルと落ちない運動量、そして中距離でも正確なパス回しで特に後半は神戸を圧倒、さらには清水の十八番であるフェルナンジーニョのボールキープでDFを引き付け、市川のクロスで片手に余る決定機を作ったのだが、これをチョゼジンやフェルナンジーニョがことごとく決められず、神戸GK徳重を中心とした神戸の粘りの守備に屈してしまった。
いかにも勝つ&負ける時はこんなものといった試合だったが、優勝や残留という目標を考えると両チームにとって大きな意味を持つ結果だったのは間違いない。とは言え、ここで気を抜いてしまっては来期の上積みも望めないわけで、残り7試合と天皇杯で良い内容を見せて欲しいところである。