U-17ワールドカップ グループD 日本-ナイジェリア(0-3)

完敗は完敗。でも選手たちは、今の自分達がやれる事を精一杯出し尽くしていたように見え、昨日の兄貴分の試合よりもはるかに見ていて気持ちが良かった(笑)。
ナイジェリアはアフリカのU-17世代とは思えないぐらいに組織化されていた。と言ってもそれは単純なもので、守備ではマンマークを基本として、ボールを奪ったらトップに当てて2列目が拾い、ドリブルを交えてサイドへ展開するといったパターンだったが、これが彼らの身体能力と合わさると実に強力で、少しでもパススピードが緩かったり逃げのパスをするとあっという間に追いつかれて掻っ攫われ、ドリブルやボールキープは2人が体を当てて足先で取ろうとしてもビクともしない。
そんな中で日本は、ナイジェリアのスピードと強さ、味方のキープ力不足でラインを上げてもすぐに追っかけっこを強いられてしまい、最後は守備陣がバテてサイドからのドリブルに追いつけずに3点目を食らってしまった。1点目は相手のミドルが素晴らしかったにしても、2点目は高橋がスライディングをしていれば間に合ったはずで、やはり対人スキルでまだまだ世界とは差がある事を見せ付けられてしまった。
しかし、終始劣勢の中でも積極的な飛び出しとワンタッチパスで端戸のダイレクトボレーの場面を作ったり、時には深いスライディングでナイジェリアの突破を止めてみせたりと、ただ一方的にやられるだけじゃないぞという意地が日本に見られたのは嬉しかった。
守備はただコースを切ればOK、攻撃はちょこんと横や後ろにはたいてパス交換といった、今まで自分達がやって来たプレイが根底からくつがえされるような経験を持てた事は、彼らにとって本当に良い財産になったはずだ。幸い、この苦い経験を生かせるチャンスはまだフランス戦に残されている。是非、もう一つ階段を登った彼らの姿を見たいものだ。