U-17ワールドカップ グループD 日本-ハイチ(3-1)

日本は幸先良く初戦勝利を挙げることが出来たが、内容的にはかなり危なっかしいものだった。
日本は序盤こそ素早いパスワークでハイチゴールに迫ったが、ハイチがしっかり引いて網を張った守備に切り替えるととたんに攻め手が無くなり、アジアカップのようにサイドチェンジはするもののそこからの弱いクサビや中への横パスを狙われ、ハロルドジュニオールらにスピードでぶっちぎられ、何度も深い位置からのクロスを上げられてしまっていた。
特に、後半30分ごろに河野の横パスをさらわれて抜け出され、完全にGKと1対1になった場面は相手のトラップミスが無ければ完全に1点もので、これが決まっていたら日本が負けていた可能性は高かっただろう。それだけに、前半終了間際にFKから岡本の不意をついたミドルが決まった事は大きかった。
日本は、サイドチェンジからワンタッチパスをつなげてまたサイド、といった狙いの練習を重ねている事は良く分かったが、特に先制点を取ってからは試合の重圧とハイチの身体能力の前に攻撃時の足が止まりがちで、前へのパスに一歩届かずにミスパスとなったりクサビのボールに詰められずに単なるバックパスになってしまう場面が多すぎた。また、せっかくゴール前でフリーでボールを持ってもわざわざターンしてサイドに流してみたりと、経験がない分仕方の無い面はあるのだろうが、あまりに練習の形にこだわり過ぎている印象を受けた。
次は初戦でフランスを破った優勝候補筆頭のナイジェリアが相手だが、ただずるずると引いて守るのではなく、ミスの無い判断でしっかりとボールをつないでマイボールの時にラインを上げる時間を稼いでいかなければ、また5-0の虐殺を食らう羽目になる可能性が高い。ハイチ戦で柿谷や河野のスピードとテクニックが黒人相手にも通用する事は証明できているので、ナイジェリアの攻撃を水際でしのぎつつもカウンターからしぶとく1点を取るような展開を期待したい。