U-20ワールドカップ グループF 日本-スコットランド(3-1)

結果を知ってから見たので言える事なのだが、試合の流れとしてはかなり危うい展開だったように思う。
日本の前半は、完全にボールを支配して何度も決定機を作りながらずっと得点できず、こういう時にミスやセットプレイからスコッと失点してしまい、あとは焦りで攻め急いで自滅というのが常套パターンなだけに、スコットランドDFとGKのミスから先制点を奪えたのは本当にラッキーだった。
と、こういう要らぬ心配をしてしまえるほど日本の出来が良かったのは確かで、河原・デカモリシの前線からの追い回しに、CBとSBの高い位置取りと頻繁なオーバーラップ、そして何より攻守の切り替えの速さと全体的なハードワークと、これだけの短期間でオシムサッカーのエッセンスを感じられるチームになっていたのには驚かされた。欲を言えば、セットプレイの精度がもっと欲しいところかな。
スコットランドは4バックのゾーンディフェンスだったので、各選手のゾーンに複数の選手が入ってくるとマークが混乱して日本の選手をフリーにさせてしまう場面が多く、対応がかなり後手後手に回る要因になってしまっていた。とは言え、相手がワールドクラスになると最後の部分できっちりと鍵をかけて得点させないレベルのCBとGKが出てくるわけだが、このあたりはオシムジャパンが世界と戦う上でのヒントであるように思う。
ただ、今後の強敵との対戦を考えると、先に書いたように決定力の部分で物足りなさはあるし(特にデカモリシは力任せにシュート打ちすぎ(笑))、日本の失点場面でもシュートを決めたキャンベルに安田がマークに付ききれず、ゴールに入った内田がスライディングをしてなかったりと、3人目のCBであるはずのSB陣に守備の甘さが見られるのも気になるところだ。Jリーグにはワールドクラスのドリブラーがいないので仕方の無い面はあるが、オランダ大会のクインシーみたいなのが出てきたらと思うと非常に怖い。
まあ、この年代は大会の中で試合を重ねるごとにどんどん成長していくものなので、今回調子が悪かった柏木も含め、前向きな気持ちを持って思い切った試合を続けて欲しいところだ。