J2第19節 東京V-愛媛(0-1)

試合の流れだけで言えば、3度クロスバーに当てたのを始め、ゆうに両手の数はあった決定機をことごとくヴェルディが決められず、愛媛がカウンターからワンチャンスで決めた1点を守りきったと言う、ヴェルディにしてみれば負けるときはこんなものといった試合だったが、内容をつぶさに見れば、ヴェルディが負けるべくして負けた感が強い。
愛媛は典型的な守備重視ハードワークチームで、18節で鳥栖が愛媛に勝った時の様に、愛媛に対して高い位置からプレスをかければ、ポゼッション能力の低い愛媛は孤立した前線にボールを蹴りだすしか攻め手が無くなり、そのボールを拾って連続攻撃につなげれば、前線の能力が高いヴェルディはもっと楽に勝てるはずだった。
しかし、愛媛がヴェルディのポストプレイに対して常にチェックを怠らなかったのと対照的に、ヴェルディは3バックにしたおかげでDFラインの守備は安定したものの、前後が分断して中盤でのプレスがかけられなくなったために、愛媛に中盤で簡単に前を向かせてしまって選手の押し上げを許す事になり、ヴェルディは愛媛を自陣に押し込む事が出来なかった。
また、せっかく相手が押し上げてきてくれているのに、序盤を除けばひたすら足元で細かくパスをつなぐだけで、愛媛の守備陣形が揃う前に攻め切るような速い攻撃が見せられなかったのもまずかった。
これでヴェルディは7連敗の後に4勝1分けと来た良い流れが途絶えてしまった。今後、昇格の順位までたどり着くためには、このように余計な星を落としてしまってはいけないはずだ。ハードワークのチームにハードワークで負けないようなチーム作りがラモスに出来るのかどうか、そこが鍵になって来るだろう。