欧州CL準決勝第2レグ ミラン-マンチェスター・ユナイテッド(3-0)

マンUホームの第1レグを3-2で折り返した後の第2レグ。ミランはピッポの1トップにカカーとセードルフが2列目に並んだ4-3-2-1。欠場のマルディーニの代役はカラーゼ。マンUは中盤から前に変化は無いものの、エインセが左SBに回ってCBにヴィディッチが入った布陣。
豪雨の中で始まった試合だったが、アウェイの雰囲気に呑まれたのか雨でプレイ感覚が狂ったのか、マンUはまるでパスをつなげる事が出来ず、逆に珍しく(笑)最初から攻勢に出たミランは確実にボールを足元に納めてきっちりとパスを回し、サイドを中心にマンUを攻め立てる展開。そしてわずか11分に、ネスタの中盤からのフィードをセードルフが頭で落とし、カカーがダイレクトでゴール右隅に決めるビューチホーな得点でミランが早速アウェイゴール差でリードを奪ってしまう。
得点が必要になったマンUはそこから何となく攻めに出はするものの、ルーニーはミランCBに封じ込まれ、ロナウドはドリブルを始めるや否やガットゥーゾに素早くサイドに押し込められて全くいつもの攻撃リズムを作り出すことが出来ない。その状況を象徴するかのように、30分にはDFのクリアミスを拾われ、クロスのこぼれ球をセードルフにドリブルで持ち込まれて2失点目。ミランの完璧な試合運びだけが印象に残った前半だった。
後半になるとようやくマンUも目が覚めたのか、高い位置まで選手が押し上げられるようになり、前線も自由に動く事でミランのマークを外してパスが回せるようになる。が、ミランもピッポと交代で入ったジラルディーノまでもが守備に帰る分厚い壁を作り、マンUの攻撃を最後のところで跳ね返す。
いよいよ追い詰められたマンUは32分にサハを入れて2トップにしたが、これが完全に裏目に出てしまい、交代のわずか1分後にカウンターから完全にフリーで抜け出したジラルディーノにゴールを決められてしまい勝負あり。ミランが圧勝でアテネへの切符を手にすることとなった。
マンUはリーグ戦で優勝争いをしていてなおかつ怪我人が多かったというエクスキューズはあったかもしれないが、それにしてはあまりにも試合の入り方が悪くてカカーに対するマークも甘く、全ての面でミランとは経験の差を感じてしまった試合だった。決勝は現在絶好調のカカーをリバプールがどうやって止めるかというところが焦点になるだろうが、どちらにせよ守備に強みを持つチーム同士の戦いだけに、先制点が試合の流れを決めることになるのは間違いなさそうだ。