欧州CLベスト8第1レグ ローマ-マンチェスター・ユナイテッド(2-1)

かたやトッティを軸とした速いパス回しによる攻撃、そしてCロナウドやギグスらの個人技で崩す攻撃と、攻撃面で異なる特色を持ったチーム同士の対戦。
まずはホームのローマがボールを奪ってからの中盤の飛び出しを活かしてマンUゴールに怒涛のごとく襲いかかるが、マンUが引き気味の守備陣形を取ってローマにスペースを与えないようにし始めると試合は落ち着き、逆にCロナウドやルーニーの裏への動きからカウンターのチャンスを作る。
前半の35分に早くもスコールズが2枚目のイエローで退場すると、さらにその形は鮮明になり、ローマは前方で交通渋滞を起こして攻めあぐねる展開が続く。が、44分にようやくローマにカウンターの場面が訪れ、いったんはマンUがコーナーに逃れるものの、素早いリスタートからの折り返しをタッディがシュート、これがマンUの選手に当たってコースが変わり、ローマが待望の先制点を挙げる。
後半になるとさすがにマンUも攻めに出ざるを得ず、Cロナウドを1トップにして左右にルーニーとスールシャールを置くフォーメーションにして打開を図るが、どうしてもその分守備が薄くなり、ローマにサイドからのクロスやミドルシュートの雨を浴びせられる。
ところが後半15分、マンUはカウンターからCロナウドがドリブルで2人を抜き去り、そこからのクロスをファーサイドにフリーでいたルーニーが胸トラップでマークを外して値千金の同点ゴールを決めてしまう。正にマンUの真骨頂とも言える得点だった。
ローマは失点直後にヴチニッチを投入するが、この策が見事にあたり、7分後にマンシーニのミドルをファンデルサールが弾いたボールをダイレクトでヴチニッチが決めて再びローマがリードする。後は互いに前線の選手を投入し、カウンターからチャンスを作るも決めきれず、まずはローマが2-1で勝利を挙げた。
思いがけない早い時間帯でのスコールズの退場があって、比較的互いの持ち味を消しあう展開になってしまったが、どちらも攻撃陣が好調で見ていて楽しめる試合だった。1試合を終えてマンUがアウェイゴールを挙げての1点差はほぼイーブンに近く、当然マンUはホームで攻勢に出て来るだろうから、第2戦はさらにエキサイティングな試合が期待出来そうである。