スコットランド・プレミアリーグ第30節 セルティック-レンジャーズ(0-1)

変なたとえで恐縮だが、オールドファームの神様の好き嫌いを思い知らされた、としか形容の仕様が無い試合であった。
いつものオールドファームであれば、最初から選手はフルパワーで走り回り、あちこちで肉弾戦が展開されるのが常なのだが、ミラン戦の後でセルティックが燃え尽きているのか、ミランのプレスに比べればレンジャーズの守備などザル同然に見えるのか、前半はセルティックが余裕のパス回しでレンジャーズを圧倒する不思議な展開になってしまう。
ところが、山のようにあった決定的なチャンスやセットプレイがことごとく決まらず、後半の10分にそれまではほぼノーチャンスだったレンジャーズが、セルティックゴール前での浮き球からのオーバーヘッド気味のボレーが、枠ギリギリに決まるという幸運としか言いようが無い得点を決めてしまう。
そこからはセルティックもようやく縦へのパワーを示し始めるのだが、流れは得点を決めたレンジャーズに傾いてしまい、出足の鋭さに負けて何度もバイタルエリアへの侵入を許してしまう。いつもは素晴らしいセーブを見せるボルツが、FKのキャッチを前に落としてしまうような場面もあって、セルティックの気迫は完全によみがえらないままに試合終了。2年ぶりにホームでレンジャーズに負ける失態を喫してしまった。
永遠のライバルとは言え、現時点ではチームの質的にセルティックがレンジャーズを圧倒していることを示した前半の展開だったが、何よりも勝ちたい意欲、闘志が勝っているほうに女神が微笑むのがオールドファームなのだろう。
中村については、不出来で終わったミラン戦の後だけに、他人を利用するのではなくてもっと個人で仕掛ける場面が欲しかったが、まあ数日で本人のプレイスタイルや性格が変わるはずも無く、セットプレイも不発でやや残念な出来。ペルー戦もあってまだまだお疲れ様ではあるが、この1週間の屈辱を忘れずに来期に備えてもらいたいところ。