フランス・リーグアン第4節 マルセイユ-ルマン(2-0)

ドイツW杯でブレイクしたリベリを中心に、今期は珍しくスタートダッシュを決めたマルセイユとのアウェー戦。当然厳しい戦いが予想され、結果も2点差負けというものが出てしまったのだが、内容的にはルマンが勝ってもおかしくなかっただけに、実にもったいない試合であった。
ルマンは、ボールを支配するマルセイユに対し、忠実なスペースカバーと裏への飛び出しへのマーキングでほとんど決定機を作らせず、逆にカウンターから何度か惜しいチャンスを作ったものの、序盤にそれを決められなかったのが致命傷となってしまった。
当然ながら松井も攻撃よりも守備に回る場面が多く、相変わらずロマリッチからパスが出て来ない事もあって、特に前半はほとんどボールに触る事が出来なかった。ただ、それは松井自身に問題があるのも確かで、右サイドのバングラが高い位置からアタックに行く事が多いのに対し、松井はフィジカルで負ける事を考えてか、アタックよりも低めの位置でリトリートする守備がほとんどで、その分、ボールを奪った時に攻めあがるタイミングがバングラよりも遅れてしまうのも、パスが回ってこない理由の一つにあるんじゃないかと思う。パルマ時代の中田も同じ課題を抱えていたので、既視感のある話なのだが(苦笑)。
特に、今のルマンはボールを持ったらPAまで持って行ってからパスを細かく回すよりも、相手の守備陣形が整う前に積極的にシュートを打つ攻撃が主体になってしまっているため、いくら後から前線に上がって来ても、ほとんど意味をなさないのだ。もちろん、松井が言うように速攻だけでは相手に研究されると近々手詰まりになるのは確実なので、もっとパスを回す攻めも構築する必要があるとは思うが、松井自身も守備のアグレッシブさというものも身に付ける努力をして欲しいところだ。