アジアカップ予選A組 日本-イエメン(2-0)

まあとにかく恥も外聞も無くびっちりと引いて守る相手には、ジーコジャパンだろうがオシムジャパンだろうが点を取るには今後も苦労するのは確かだろうなと再確認させられた試合ではあった。
ただ、どんな相手であっても何度かは決定的なピンチを作られたジーコジャパンとは違って、前線からの守備意識に関しては雲泥の差と言える出来で、何回かあった中盤や自陣での凡ミス以外では、川口が仕事をするような場面が無かったのは大きな進歩だと言えるだろう。闘莉王の高さと坪井のスピード、そして今や代表の中盤を支える顔となりつつある鈴木の安定感は素晴らしかった。ちょっと闘莉王は上がりすぎだけど(笑)。
しかし攻撃面では全くのダメダメ。FW陣のシュート精度やサイドのクロス精度についてはもう今更不満を言っても仕方が無いにせよ、典型的な千葉の攻撃の形である、誰かが引いたところを後ろの選手が追い越すような場面をほとんど作れなかったのは、初の公式戦と暑さというエクスキューズがあったとしてもお粗末に尽きる。かと言って、速くて幅広いサイドチェンジと正確なクロスという引いた相手に対する定石が出来ていたわけでもない。アシストをしたとは言え攻撃のリズムを失わせるプレイが多かった三都主、動きに思い切りが不足していた駒野、2列目としてはスペースメイクが物足りなかった遠藤らにはしっかりと反省してもらいたいところだろう。
この試合では選手の動きのイメージのずれに耐えかねてオシムは千葉の選手を次々と投入はしたけれども、3年後のアジア予選や南アフリカW杯を考えれば、千葉の動きの質にテクニックの質が加わらなければ、とうてい世界と互角に戦える位置まで上がる事は出来ないだろう。千葉の選手はさらなる個人能力を、他チームの選手は千葉の選手以上の動きを磨き上げていって欲しいところである。