J1第17節 磐田-鹿島(3-3)

この両チームの試合を見るのも久々である。かつては日本のナショナルダービーとして数々の好ゲームを見せてきた両チームの試合だったが、選手の世代交代や監督就任からの短い時間、そして夏の暑さというエクスキューズはあっても、全盛期のお互い水も漏らさぬような強靭な守備力のぶつけ合いを知っている身としては、かなり寂しい試合内容になってしまった。
まず両チーム共に、相手ボールになった場合の寄せの速さや強さというものが全く存在せず、CBはあっという間にずるずるとPAのラインまで下がってしまい、ジュビロはそこからのマーキングの判断がバラバラで鹿島の選手があっという間にフリーになってしまって何度も至近距離からシュートを打たれ、鹿島は新井場らのSBが上がったスペースをケア出来ずにサイドへと侵入した選手を捕まえられずにしっかり起点を作られるなど、互いに大きな守備の穴をさらし続けたがゆえの、当然とも言える得点経過となってしまった。
それでも、リーグで上位にいるだけあって、鹿島側の攻撃の組み立てに一日の長があり、ポゼッションと決定機の数値では明らかに優位に立っていたのだが、いかんせんあまりにも決定機を外しすぎ、逆につまらないミスから失点を重ねてしまったのは、優勝を目指すチームとして情けない限りである。A3でのガンバを見ても、なんちゃってポゼッションサッカーではJでは戦えても世界では通用しないわけで、全盛期の面子が多く去ったとは言え若いタレントを多く抱える両チームだけに、今一度プレイの本当の厳しさについてしっかりと考えて欲しいところである。