ドイツW杯3位決定戦 ドイツ-ポルトガル(3-1)

ドイツはバラックを始めとしてフリードリヒやメルテザッカーが欠場、ポルトガルもフィーゴやリカルド・カルヴァーリョといった主力がおらず、しかしそれ以上に真剣勝負の必死さがダウンして、誰かさんが世界に対する自信を固めた(笑)コンフェデのようなヌルさが漂っていた試合だったが、そういったオープンな戦いになるとやはり決定力の差が出てしまうという定理も、再確認させられたと言える。
ポルトガルはドイツの1対1での守備の甘さにも助けられて、1トップのパウレタにも珍しくチャンスが多く訪れたのだが決められず、逆にシュヴァインシュタイガーの内側への切れ込みを簡単に許してしまって2失点+オウンゴールなのだから、まあポルトガルの悪いところが全て出てしまったような試合だった。
逆にドイツの良さはこの試合でも安定していて、守備の甘さはともかくとしても、ボールを奪ってから攻撃に転じる速さ、そしてカウンターのチャンスになれば、前線の選手のダイアゴナルな動きに正確なミドルパスを合わせ、遅攻の選択肢になればサイドからオーバーラップしてくる選手とのコンビでサイドに起点を作るといった、異なった攻撃パターンを精度高く実行できる能力を見せ付けていた。
どこぞの代表は自由自由と言いながら、結局はボールを奪ってからの人数をかけたコレクティブなカウンターでしか攻撃を作れず、中田や中村がマークされて全体のコンディションが落ちれば手も足も出なくなってしまったのだが、ドイツを見れば完成された攻撃の形が最低2つあれば(守備を別にすれば)攻撃面では結果が残せるわけで、その辺はオシムに対しては釈迦に説法でしょうが、この12年で実現できなかった事が見られるようになる事を期待したいものです。
あと、日本人にとっては試合の中身以上に注目だった上川主審のレフェリングでしたが、もうちょっと流してもいいかなとは思いましたが、試合開始早々のPA内でのハンド以外は、前半終了間際のCロナウドのシミュレーションもファールを取らず、良い意味で主審が試合の邪魔をしない内容になったように思います。ハンドもドイツが負けていれば問題になったかもしれませんが、結果オーライになって何よりです。そこまで両者の差を読んでいて試合のテンションを下げないようにする事を優先していればパーフェクトなんですが、さすがにそこまでは考えてないでしょうしね(笑)。とにかく、これがJでの基準になってくれると嬉しいんですがねえ。