ドイツW杯 準々決勝 ブラジル-フランス(0-1)

大本命と見られていたブラジルが敗れてしまった。しかし、考えて見ればここまでブラジルはフランスのような世界的なストロングポイントを持っているチームとは対戦していなかったわけで、初めて訪れた壁を前にして、ロベカルやカフーの衰え、カカーとロナウジーニョの不調、デブの運動量といったエクスキューズが露にされてしまった試合だったと言える。
この試合でブラジルはアドリアーノを控えにしてロナウドとロナウジーニョの2トップのような形にしたのだが、ロナウジーニョがボールを持ってリズムを作っていたのは前半のわずかな時間のみで、その後はアドリアーノを投入するまでフランスの厳しい守備の前に完全に存在を消されてしまった。しかも、その手を打ったのが後半も18分になってからで、それもFKに強みを持つジュニーニョ・ペルナンブカーノを下げてのもので、ロスタイムにゲットした右足での絶好のFKチャンスにロナウジーニョが上に外した場面が、今回のベテラン&有名選手優先のブラジルを象徴していたかのようなプレイだった。8年前にもナイキがらみで決勝でのロナウドの出場うんぬんが取りざたされただけに、日本と同じような問題があったのかもしれないが・・・
フランスはここに来て、アンリの1トップにジダンのトップ下、あとは皆労働者といった役割分担を完全に明確にして、守ってとにかくジダンにボールを預けてあとはアンリによろしくといったサッカーになってしまったが、それが変に守備的に走ったブラジルに関しては実に効果的だった。次は同じように攻撃はクリスティアーノ・ロナウドが頼りなだけのポルトガルが相手だが、同タイプ対決ならば分はフランスにありそうだ。
とにかくこれで攻撃的な性格を持つチームが全て敗退し、ベスト4全てが欧州勢となったわけだが、リーグ戦の日程に余裕があって気候と時差の問題が無ければ、堅い守備を保てる組織とコンディションを有するチームが現代サッカーでは強いのだという価値観を改めて証明する事になった大会だったと言えるだろう。まあどこぞの極東の国は両方とも放棄してしまったんだけどね(苦笑)。でも本当にブラジルの敗退は残念だなあ・・・