ドイツW杯ベスト16 ドイツ-スウェーデン(2-0)

直接的な原因としては、クローゼとポドルスキーが絶好調なドイツと、イブラヒモビッチに全く切れが無いスウェーデンとの差が出てしまったと言えるのだろうが、それ以上に開催国で観客のパワーをもらっているかどうかという部分が、集中力や攻守の切り替えの早さといったディテールが積み重なって大きな差となった試合だったように思う。
それにしてもスウェーデンは、ドイツサポーターの声援に浮き足立っていたのか、いきなりクローゼのマークに2人が同時にアタックして抜かれたところでポドルスキーに決められ、今度はクローゼを警戒するあまり3人が囲みに行ったところでパスを出されてこれまたポドルスキーに決められるなど、今までの堅守のイメージが根底からくつがえされる注意散漫ぶりだった。
攻撃でも、イブラヒモビッチが頼りにならないにしても、ドイツの早い戻りの前にパスワークは消え去ってしまい、後半すぐにたった1度のきらめきを見せた以外は、完全にスウェーデンは沈黙してしまった。リーグ戦から離れてW杯を見ているとついつい忘れてしまうのだが、まさしくこれはアウェイチームの情けない姿そのものだ。それでも、ラーションのPKが決まっていれば試合の流れは変わったかもしれないが、しょせんそれはたられば話に過ぎない事だ。
ただドイツも死角が無いようには見えるが、ラーションのPKの場面を見てもドイツのDFが一瞬のアジリティに弱い体質があるのは明らかで、次のアルゼンチン戦で中盤を支配されてしまいような状況になると、かなり厳しいことになるのは確かだろう。FWが好調だけに、早いうちから点を取って、あとはスペースを埋めて相手をじらすような形に持ち込みたいところだ。