ドイツW杯ベスト16 ブラジル-ガーナ(3-0)

今までタイミングが合わなくてガーナの試合を見ることは出来なかったのだが、結果として完敗したとは言え、ガーナが非常にレベルの高いチームである事はすぐに分かった。選手個々の身体能力、キープ力、トラップの柔らかさは申し分なく、そういった選手がラインを上げてコンパクトにした守備戦術を駆使してくるのだから、これはチーム力に穴のあるチームであればこてんぱんにやられるのも道理だと思った。
が、その高いDFラインをブラジル相手にやってしまったのは無謀と言うしかなく、ブラジルの誇る3人目の動きとワンタッチパスのコンビネーションであっさりと裏を取られ、ロナウドの先制点を始めとして残りの2点もカウンターから失点してしまったのは非常にもったいなかった。とにかく今のブラジルにスペースを与えると、どこも攻撃力を防ぎようが無いのは明らかで、それだけに序盤の慎重な戦いがガーナには必要だったはずだ。
ブラジルは先制点を挙げた後にはガーナのスピードを恐れて引き気味の布陣になってしまったのだが、日本ごときに失点をしてしまったように、守りに入ったときのCBとSBの役割にあいまいな部分があり、何度かガーナの瞬発力の前にピンチを作ってしまっていた。まあガーナFWの決定力の低さに助けられてはいたのだが、ブラジルに押されても耐えられる守備力を持ち、少ないチャンスをがっちりモノにするFWがいる相手だと、展開によっては苦戦する場合が出てくるだろう。
その意味で、今のブラジルに対抗出来るのはベスト8の中ではフランスとイタリアといったところだろうか。ブラジルの次の相手はそのフランスだが、言うまでも無く98年フランス大会決勝の組み合わせであり、ブラジルもリベンジの気持ちに燃えているはずで、ベスト8最高の戦いが期待できそうだ。