ドイツW杯ベスト16 イタリア-オーストラリア(1-0)

イタリアにとっては4年前に苦杯を舐めさせられたヒディンクが相手とあって負けられない試合。イタリアはトッティがサブに回ってトニとジラルディーノの2トップの下にデルピエロを配した4-3-1-2、オーストラリアは出場停止のエマートンに代わってステリョフスキが右に入ったビドゥカが1トップの4-3-3という形で始まった。
試合はオーストラリアの厳しいマンマーク守備と攻撃への切り替えの早さにイタリアが受けに回る形になり、イタリアはそこからお家芸のカウンターを何度も炸裂させる展開になったのだが、トニとジラルディーノがオージーDFを個人能力で上回って何度か決定機を作るのだが、ことごとくこれが決まらないという4年前を思い起こさせるような嫌な展開となった。
しかも、後半5分に得点機会阻止のファールでマテラッツィが退場するという大ピンチに陥ったのだが、トニを下げてバルザリを入れた急造DFでもブッフォンと7人で堅いブロックを作ってオーストラリアの攻撃を跳ね返しているうちに、さすがのオーストラリアも疲れが出て攻め手を失い、ロスタイムの一瞬の隙でPKをゲットして決めるあたりはさすがイタリアと言うしか無かった。同じ低いDFラインとカウンター狙いというサッカーでも、某極東の島国とはここまで安定感が違うのかと悲しくもなったけどね(笑)。
ただ、トッティはこれで波に乗るかもしれないが、リーグ戦の決定力をなかなか発揮できないFW陣にはリッピも頭が痛いところだろう。さらに、マテラッツィへの処分がどれくらいになるか分からないが、ネスタも怪我で欠いたCBの陣容はかなり深刻で、次は辛くもスイスを破ったウクライナが相手とは言え全く楽観視は出来ない状態だ。
それにしても、ここまで早めに攻撃のカードを切って試合をひっくり返してきたヒディンクが、失点を恐れたのか120分での勝負にかけ過ぎたのか、1人のみの選手交代で終わってしまったのは不思議な光景だった。とは言え、オーストラリアは本当に良いチームだった。これからアジア予選で当たってしまうわけだが、監督がオシムじゃなくても、せめて走り負けないようにしないと日本の勝ち目はなくなってしまうだろう。