欧州CLベスト16第1レグ チェルシー-バルセロナ(2-1)

互いに4-3-3のマッチアップとなったこの試合だが、試合は最初から完全にバルセロナのペースで、チェルシーはロッペンとジョー・コールの両ウイングが押し込まれ、ランパートも守備に追われて全く攻撃の形が作れないままに時間を費やし、それでも何とか人数をかけて引きこもってかろうじて前半を耐えしのいだものの、37分に少し厳しすぎる判定とは言えメッシに対するアフタータックルでデルオルノが退場するという最悪な展開となった。
それでも、後半になるとチェルシーはクレスポに変えてドログバを入れたことで前線でのボール争いの強さがよみがえり、厳しいプレスでバルセロナにペースを握らせず、14分にはFKからモッタのOGを引き出してリードを奪うことに成功する。が、バルサはここでラーションを入れて彼の下にエトー、ロナウジーニョ、メッシを並べた4-2-3-1にして一気に攻勢を強め、こちらもまたFKからテリーのOGを誘って同点に追いつく。
ここからは試合はかなり激しくなり、ボールが激しく行ったり来たりの展開となるが、人数に勝るバルサが徐々にペースを握り返し、35分にはカウンターからロナウジーニョがスライディングを突破、そこからサイドにつないで最後はクロスをエトーが決めて逆転、そのままバルサがアウェイで逃げ切りを成功させた。
チェルシーはバルサの攻撃力を恐れたのか前半からやや腰が引けた姿勢が見られ、後半開始から1点を取るまでは数的不利にもかからわずにバルサと互角以上の戦いを見せた事を考えれば、その姿勢を最初から見せられれば逆の展開にする事も可能に思えただけに、チェルシーにとってはスタメンの選択も含めて非常にもったいない試合をしてしまったと言える。
とは言えバルサの強さもまた紛れも無い事実で、荒れたスタンフォードブリッジのピッチ状態にもかからわず速くて正確なパス回しをする技術力と、1人では絶対に止められないロナウジーニョはもちろん、デコやメッシといった運動量とテクニックを併せ持つ人材を揃えたチーム力は図抜けており、たとえチェルシーが万全でもバルサが優位なのは仕方の無いところだろう。
チェルシーが勝つとすれば、第2レグでしっかりと守ってカウンターから先制点を取り、バルサの焦りを引き出した上で追加点を入れるという難しいプランが必要になるが、バルサのDFが決して超強力とは言えないだけに、FWの強さと決定力が求められるところだ。