親善試合 アメリカ-日本(3-2)

点差こそ最小失点差ではあったが、試合前の展開予想よりも前半の日本の出来が悪すぎ、出来が悪いなりに耐える集中力も選手に無かったのが大きく響いた試合だった。コンディションの悪さやシーズン前という試合勘の足らなさ、そしてゆるいピッチにすべる場面が多かったエクスキューズはあったが、内容としては言い訳の仕様が無い。
前半の悪いところを挙げればきりが無いが、アメリカの高い位置からのプレスの前に、遠藤と福西のボランチ陣がまるでボールがつなげずにボールをカットされ、そこからサイドに展開するアメリカの攻撃にトップ下の小野と小笠原、そして両サイドの三都主と加地が低い位置に押し込められ、久保ももとからポストプレイは得意ではないのだろうがまともなボールさえ入らず、セットプレイの度にフリーの選手を作っては危ないシーンを作るといったざまで、よく2点で済んだなという感じだった。
後半になって動ける佐藤と巻を入れて前線からボールを追わせ、小野をボランチに戻してキープする点を作り、アメリカの中盤のプレスが落ちたところから日本がペースを取り戻して最後は1点差まで追いついたが、いかんせん前半の16-1というシュート数が表すようにアメリカとのチーム完成度の差は歴然で、中盤が耐えられなかった時にどうボールを落ち着かせるかという日本の課題がまた浮き彫りにされてしまった試合だった。
そんな中で、アメリカのペースが落ちてからとは言え、巻や佐藤、長谷部といった新戦力が臆することなく堂々とプレイしていたのは、ドイツに間に合わないにしてもその後の代表にとって明るい材料が増えたといえる。しかし、何故長谷部はアテネに呼ばれなかったんだろうね(毒)。

●採点


  • 川口 6 今日は忙しかった。失点は仕方なし。

  • 田中 5.5 相手のフィジカルに苦しんだ。

  • 宮本 6 DFラインでは孤軍奮闘。

  • 中澤 5 得点はしたが最悪の日。1対1で勝てずに3点目の戦犯。

  • 三都主 5.5 後半には起点として復活したが、守備は相変わらず。

  • 遠藤 5 プレスの前に窒息した。前にも飛び出せず。

  • 福西 5 遠藤とともにアメリカの波に沈んだ。

  • 加地 5 アシスト以外ではトリノでスケートをしていた。

  • 小野 4.5 前半は幽霊のようだった。後半に少しだけ生き返ったところで交代。

  • 小笠原 5 良かったのは運動量だけ。軽率なミスも多い。

  • 久保 4.5 孤立して気の毒ではあったが、とにかく何もしていなかった。

  • 巻 6.5 得点は見事。運動量と献身的なプレイが光った。

  • 佐藤 6 得点にはからまなかったがDFラインをかき回した。

  • 阿部 6 まずまず落ち着いたプレイ振り。

  • 長谷部 6 コンビが無い中で非凡なセンスを見せた。

  • 本山 5.5 それほど目立った働きは出来なかった。

  • ジーコ 5 3-6-1は絵に描いた餅。後半の修正は良かった。鹿島采配は相変わらずだが。

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