スコッチ・プレミア第5節 ダンファームリン-セルティック(0-4)

スコットランドリーグでも残留争いをするような小さなクラブながら、素晴らしいスタジアムを持つダンファームリンとのアウェイ戦。この日のセルティックはトンプソンなど中盤の主力が抜けたために、セルティックの前線はビーティー、ハートソン、ズラウスキーの3トップとなって中村は中盤の3人の左としてプレイする4-3-3という布陣。
試合は相変わらず不安定なセルティックDF陣を突いて、ダンファームリンが縦に早い攻撃から押し込むのだが、6分に長い一発のパスを受けたズラウスキーが中にドリブルで切れ込んでからのシュートが入ってセルティックがあっけなく先制、その3分後には相手GKとDFの連携ミスでハートソンがプレゼントボールを難なくゴールに蹴り込んで見ているこちらもどうにも頭を抱える展開に。
その後もセルティックは相手の攻撃を何とかクリアしては不正確なロングボールを出し、それを相手に取られてまた攻められる何ともとほほな状況が続き、中村にもほとんどボールが渡らない。案の定、左右からの攻めにたまらずセルティックは26分にPKを与えてしまうのだが、これはGKボルツが見事なセーブで防いでしまう。
中村もこれに辛抱溜まらず、ポジションを中に移してパス回しの核になろうとしてパスアンドゴーを試みようとするのだが、ゴーの後にほとんどパスが受けられずにフラストレーションが溜まる一方。それでも、30分以降は真ん中にスペースが出来ていくらスコティッシュでもパスを渡さざるを得ない試合となって中村もボールを受けられるようになるのだが、やっぱりミスが多い展開は変わらずに前半は終了する。
後半もダンファームリンの勇敢な攻撃は続くものの、今度は右の中盤に入った中村も相手の顔へのチャージに良いファイトを見せ、チームとしての一体感が生まれ始める。そして13分に、ズラウスキーが粘って左サイドを抜けての折り返しを中に入ってきた中村が合わせてスコットランド初ゴールを決める。
もうこれでダンファームリンは抵抗する力を無くし、セルティックが完全に試合をコントロールし、押される場面も多少はあったのだがズラウスキーが抜け出しての4点目を決めてセルティックは余裕で勝ち点3をゲットした。
セルティックは点差こそ楽勝の結果に終わったが、やはり相手に押されるとどうしても出てしまう苦し紛れのロングボールという悪癖は変わらず、相手のミスと決定力次第ではどう転ぶか判らなかった試合だったと言える。まあそれでもチャージを受けた後の中村の競り合いに対する吹っ切れ方や、ズラウスキーのコンディションアップはセルティックにとっても今後にとって大きな材料となったのは確かで、今後の試合に期待したいところである。