今日のツールドフランス

いや~、プロローグのタイムトライアルというしょっぱなから、ランスの前にスタートしたウルリッヒがランスに抜かれると言うショッキングな場面が出てしまいましたね~。
ウルリッヒはツールの前のトレーニング中に落車事故を起こしたという話が出ていましたが、その影響が予想以上に大きかったと言うところなんでしょうか。対するランスも事故はあったらしいのですが、さすがは6連覇をするだけの尋常でない精神力を持つ選手だけの事はあります。これでランスはライバルのヴィノクロフやバッソにいきなり50秒以上の差を付けたわけで、まずはレースの主導権をしっかりと握ったと言うところでしょうか。
しかしウルリッヒはタイム差こそランスに対して1分強で留まりましたが、TTにおいては誰もがランスの次に強い選手とみなしている存在なだけに、精神的なダメージが心配なところです。逆に山岳であってもここ一番の強さがあるヴィノクロフが3位に入っただけに、ウルリッヒの回復度合いが遅ければ早々にエースの交代があるかもしれません。
そして、そのランスを3秒差で破って優勝したのがアメリカ人のザブリスキーです。彼は今年のジロでもTTで優勝を飾っていたのですが、その実力をツールの場でもしっかりと発揮しました。今年はドーピング疑惑で出場できなかったハミルトンもそうですが、次々と総合力のある選手を生み出すアメリカ恐るべしですな。
次の第2ステージですが、お約束の序盤の逃げに去年のツールを沸かせたボエックラー(今年はフランス語読みでヴォクレールと呼んでますが)がいましたが、やはりゴール前で集団につかまり、しかし集団もペタッキ+ファッサボルトロのような絶対的なスプリンターチームがいないので列車を作りきるチームがおらず、最後は大混戦の中からクイックステップのボーネンが勝利をゲットしました。
ボーネンはツールドフランドルとパリ-ルーベという春のクラシックの2大看板を勝ったベルギーの新星なのですが、ツールでもその力を見せてくれました。今までのツールのスプリント争いの顔であったザベルや、現在世界最強のペタッキ不在のレースとは言え、マキュワンやクックといった当代一流のスプリンターを破った事は非常に評価できる成果だと言えます。年齢も若いですし、ステージレースの総合争いは無理にしても、平地のレースを席巻しそうな勢いがありますね。他の選手も、これからしばらく続く平坦ステージでの巻き返しに注目です。