ワールドユース 日本-モロッコ(0-1)

日本はGK西川、DF水本、増嶋、柳楽、中村、ボランチが梶山、小林、MFが家長、水野、カレン、1トップに平山と言う4-2-3-1気味の布陣に変えてきた。モロッコは4-3-3というサイドを厚くした布陣。
試合はモロッコが非常に早いペースで仕掛けてくる。日本はモロッコの早いプレッシャーとサイドで繋ぐパス回しにとまどってほとんどボールが触れず、嫌な空気が流れてくる。が、5分ごろから日本も対応を見せ始め、相手の縦へのボールをカットする狙いがはまって攻撃につなぐ形が出来始める。が、モロッコの守備もカバーが早く、試合は一進一退の様相を見せる。
しかし19分に中盤でボールを奪ったカレンがポストに当てるシュートを撃ったあたりから日本のペースとなり、平山の安定したポストや家長のキープを中心として日本が良い攻めを見せる。が、やはりクロスに精度が無くてなかなか得点チャンスまで持ち込めない。ならばセットプレイと言うことだが、28分にこぼれ球を拾ったカレンがこれまたポストへシュートしてしまいガックリ。
このあたりから日本のペースも落ち、平山へのフォローが減って中盤の出足が鈍くなり、安易なボールの取られ方をしたり、梶山や中村がイエローをもらうなど1対1での攻防で後手に回ってサイドなどを突破される場面が目立つようになる。しかし、モロッコの攻めも最後が雑で得点にはならず、ほぼ互角の展開で前半を終了する。
後半も、モロッコの個人技と日本のプレスと言う攻防が続き、やはり一進一退の形は続く。ただ、日本は前半の良い時間帯に比べると梶山や水野あたりから出されるパスと前線との息が合わずに良い形まで持っていけない。日本は14分に疲れが見えた家長に代えて前田を投入、これでカレンが左に水野が右に入る。
しかし日本はここからややラインが下がり始め、モロッコがボールをキープして日本がカウンター気味に攻めるペースに変わる。ここで28分に日本は水野に代えて兵藤を投入し、何とか機動力で盛り返すものの、家長を欠いた日本はサイドで起点が作れなくなってアバウトな攻めしか見せられない。
38分にはPA左からFKのチャンスを得るが前田のFKは惜しくも右に外れる。このあたりからはモロッコも思い切りのよいミドルが増えてひやりとさせられる。そしてロスタイムの平山のシュートが左に外れた直後、モロッコは日本DFの一瞬の隙をついてイアジュールが裏に抜け、西川の股間を抜いて得点を決めてしまう。そして最後のセットプレイからのカレンのシュートも左に外れ、日本が勝てる試合を落としてしまった。
モロッコにオランダのようなアイデアやパスワークが無くてプレスも効き、カレンの2本のポストに当たるシュートがあっただけに、日本に運が味方しなかったのは残念だった。ただ、終始平山の頭にクロスが合った場面が無く、サイドまで攻めてからどう平山を生かすのかについて最後まできちんとした形が作れなかったのは反省すべき点だったと言える。また、平山自身もPAの中にいない事が多くて自分の持ち味を理解した動きが出来ていなかったのも残念だった。ただ、家長を始めとして水本や西川など、この大会で成長を見せてくれた選手も多かったのは確かで、この悔しさを次の五輪に生かして欲しいものである。