J1第12節 横浜FM-浦和(0-1)

前年のCSの対戦カードとなって52000人以上入った試合だが、横浜は連戦の疲れでACLは敗退でリーグも最近は戦績がぱっとせず、浦和もスタートダッシュの失敗から挽回中と冴えない同士の対戦となってしまった。横浜はアン、大島の2トップに浦和から移籍した山瀬がトップ下の3-5-2、浦和はアルパイが復帰、前線はエメルソン、田中、長谷部という形の3-5-2で臨む。
試合はマッチアップの布陣な上にコンパクトな戦術を指向する両チームらしく、狭い中でのボールの奪い合いといった形で始まる。横浜は比較的前線への長いボールを多用し、浦和はボールを奪ってからの早い攻撃という攻めの違いはあるものの、守備では互いに集中力を保って穴をあけない堅い展開が続く。
それでも15分を過ぎると、横浜は連戦の疲れがあるのか守備から攻撃の切り替えが一歩遅くなり出し、アルパイが戻ったおかげか高いラインからのプレスをかける浦和の守備が機能して横浜陣内での時間が長くなり始める。しかし、浦和はエメルソンが怪我持ちで本調子でなく前の3人のコンビも無いので、攻めてる割にはエメルソンの強引なシュート以外にチャンスを作れない。そんな中、横浜は一瞬の隙を突いたカウンターでチャンスを作るものの、ドゥトラのクロスからの大島のボレーやアンのバックパスからの那須のミドルシュートもバーを弾いて得点にはならず。
さらに37分には闘莉王が怪我で退いたために浦和は最終ラインが不安定になり、横浜はミスから決定的な場面を作るのだがこれもシュートはGK正面で点にならず、互いにやや消化不良の形で前半は終了する。
後半も浦和がボールをキープする展開で始まるが、中盤の運動量が互いに落ちてきた事もあって横浜もカウンターからセットプレイでチャンスを作ったり、逆に浦和がカウンターをし返したりと激しい展開になる。そして15分を過ぎると中盤が無くなって互いにゴール前付近での攻防を繰り返すようになる。ここで浦和は永井、横浜は久保を投入。
そして試合が動いたのは31分、ゴール前を人で固めた横浜の守備に対して鈴木がミドル、これをGKが弾いたボールを永井が頭で押し込んで浦和がようやく先制点を挙げる。あとは横浜がパワープレイ気味に攻め込むものの、浦和は最後まで前線がボールを追いまわすなど勝利への執念を見せ、久保もほとんどボールを触る事が出来ないまま浦和がしぶとく勝利を手にした。
カードとしては新2強の試合ではあったが、両チーム共にやや寂しい試合内容になってしまったのは残念だった。浦和はアルパイの復帰もあって前年のようなプレスサッカーは少しずつ復活しつつはあるのだが、攻撃面では前線にコンビが無くてエメルソン以外に攻め手が無く、後ろからの攻撃参加もまだまだ足りないと言える。横浜はスケジュールを考えれば仕方ないが、失点場面もボールホルダーへの押し上げが足りなくてセカンドボールを拾われて中に戻されたためであり、この休暇の間にどこまでコンディションを回復できるかにかかってきそうだ。