J2第11節 徳島-福岡(2-2)

両チーム共に得点力に問題があってここ最近は勝ち星が拾えていない同士の対戦。徳島は大島と羽地の2トップによる3-5-2、福岡は太田と有光の2トップにして中村北斗を右DFにしたサイドからのクロスを重視した様子の4-4-2。
試合はホームの徳島がまず積極的に前からの守備を仕掛け、サイドにボールを回してクロスという攻撃を見せてくる。福岡は序盤を凌いだ後は、1対1の強さを生かして個人が前に攻めあがり、徐々に徳島を自陣に押さえ込み始める。が、最初に意図したであろう太田のポストから中村の上がりと言うような効果的な形がほとんど無く、ごちゃごちゃと回している間にボールを取られたり、意思疎通の無い前へのパスなどで得点チャンスを作るまでには至らない。
そして20分、徳島が福岡のCKからのアレックスのシュートをブロックした後、パス2本を素早くつないでキムがシュート、これはGK水谷が弾いたものの伊藤がこぼれ球をうまく流し込んで徳島が先制してしまう。しかし福岡も攻撃をさらにスピードアップさせ、セカンドボールに激しくチャージしてペースを握ろうとする。そして26分に、グラウシオのサイドでの溜めからのクロスをGKとDFが交錯してこぼれたところを有光が押し込んで福岡が同点に。
その後も福岡の縦に早い攻撃に徳島の守備が後手を強いられ、守備が中に集まったところをサイドに展開されてはクロスをもらうという厳しい展開。しかし福岡DFの裏への長いパスをうまく使ってチャンスを作り、試合のペースを押し戻す事に成功する。福岡は長いボールを警戒してかラインが上げられず、徳島にバイタルエリアで起点を作られて高い位置でボールを奪えない。その後は互いに大きなチャンスも無く前半を終了する。
後半も福岡は縦に早くつなぐ攻撃、徳島が短いパスをつなぐ攻撃で一進一退の展開が続く。ここで福岡は山形とグラウシオを下げて宮崎と松下を投入。そして疲れからか徳島の全体的な運動量が落ちてきたように見えた13分、福岡が左サイドで溜めを作った後、ゴール前へのボールに有光が抜け出し、横パスを太田が押し込んで福岡がリードする。
その後はすっかり福岡のペースとなり、徳島は四苦八苦してサイドまでボールを運ぶ場面があっても、FWに高さは無いしクロスの精度も甘いというのではノーチャンスである。しかし27分に大場のロングシュートがバーに当たってからは徳島のペースへと変わり、運動量が落ちた福岡の守備のスペースに徳島の選手が攻めあがって押し込む展開に。しかしFKからどフリーで抜けた羽地のヘッドは枠の外に行くなど徳島も決めきれない。
しかし徳島がパワープレイ気味に攻め始めた41分、DFからのロングボールに競り勝った羽地のヘディングが何故か福岡GKの横をすり抜け、徳島がラッキーな得点で同点に。その後は福岡も太田のヘッドなどでチャンスを作るのだが、2度もポストに当たるなど運も無く、またも両チームは勝ち点1を分け合う結果となった。
徳島は8割方ペースを握った試合をしたのだが、失点はいずれも守備の数が比較的揃っていながら集中力の欠如やミスで取られたもので、まだ個人、チームとしての経験が不足していたと言うべきだろう。組織や運動量には見るべきところがあるので、今後はどうやって個々のレベルを引き上げられるかに注目である。逆に福岡は個としては見るべき部分があったものの、試合中にいい時間帯であったのはほんのわずかで、選手にも迷いがあるのかチームとしてのコンビネーションや意思統一が不足していたのは否めない。今後昇格レースを戦い抜く上で、何か自信を持てるような結果が欲しいところである。