J1第8節 C大阪-広島(1-1)

今日は仕事場から直接長居へGO!で何とかキックオフには間に合った。客の入りはせいぜい1~2割と言うぐらいだが平日の広島相手では仕方ないか。セレッソはいつもの西澤、古橋、森島を並べた3-4-3で、広島は前線がガウボン、前田、大木の4-3-3という形。選手の整列後に尼崎の列車脱線事故に対する黙祷が行われた。
試合は両チーム共に非常にコンパクトな布陣の中での戦いとなり、中でボールを奪っては裏へパスを出したり、サイドへと展開してクロスを上げるという攻めが続く。全体的なペースとしてはややセレッソが押しているものの、ゼ・カルロスのサイドにはかなり厳しいマークが付き、逆の久藤のサイドは大きく開いているのだが肝心のクロスの精度がお粗末で、西澤の動きに切れが無くて古橋と森島の飛び出しが少ないために、最後は広島のジニーニョと小村と言う高さのあるCBに跳ね返されてしまう。
広島も、セレッソのコンパクトな守備の前にポストからの展開がうまく行かず、くさびのボールを拾われては徐々にパスの出しどころに困るようになって遅攻が増えてしまう悪循環。しかし、30分を過ぎる頃になるとセレッソの自陣からつなぐパスにミスが多くなり、服部の上がりや前田のドリブルから決定機を作り始める。そして44分に、この日何度もファンタジーな(笑)ワンタッチパスを繰り出していた布部のパスを奪われ、広島は左サイドで完全に数的優位を作り、フリーで上げたクロスがガウボンの頭にぴったりと合って広島が先制点を奪う。そして前半はこのまま終了する。
後半になるといきなりセレッソが立て続けにシュートを浴びせるが、ゼ・カルロスのシュートは下田に阻まれ、古橋のミドルはバーに弾かれる。そこからはセレッソが完全に停滞してしまい、広島の方がセカンドボールを完全に支配して攻め立てるものの得点までには至らない。セレッソは17分から広山、黒部を投入するも広島の4バックにサイドを封じられて効果的な攻撃を作る事が出来ない。広島はベットを中心に中盤の忠実なマーキングが光り、セレッソにスペースと時間を全く与えない。
ところが33分にセレッソが米山、広島がガウボンを下げて盛田を入れた頃から試合の様相が一変する。広島は完全に引いた状態になるものの、セレッソの中盤が前に上がってくるのを止められず、中から外に展開されては米山と広山、古橋とゼ・カルロスのコンビからのクロス攻撃を浴びる。しかしセレッソのシュートはことごとくバーに当たり、完璧にGKの前に抜け出した米山のシュートはそれこそ当てるほうが難しいポストを直撃してしまい、これはもう広島の勝ちゲームだなと思われた。
ところがロスタイムに、パワープレイから裏に抜け出そうとした古橋を直前に交代で入った池田が手で引き倒してしまいなんとPKに。これをゼ・カルロスが落ち着いて決めて、セレッソが命拾いの、広島がもったいない勝ち点1を分け合った。
広島は全体的な技術の質でセレッソを上回り、組織的な守備もセレッソ以上に統率されてはいたのだが、セレッソのサイドを恐れてかSBの攻撃参加が少なく、中央の狭いところでのポストプレイにこだわってしまったのが攻撃の厚みに欠ける要因となってしまった。セレッソは西澤に切れが無くて森島が守備に忙殺されていた事から2シャドーとの関係が薄くなってしまい、クロスでしか攻撃を演出できなかったのが苦戦の原因となってしまった。黒部のスペースへと入る動きでシャドーが活性化されただけに、負けなかったからいいようなものの、動くのがあまりにも遅すぎたと言える。とは言え、両チーム共にチームとしてはかなり出来上がってきてはいるので、今後も楽しみである。