J1第4節 浦和-G大阪(1-1)

昨シーズンの上位同士ながら、少し出遅れ気味のスタートとなった両チームの対戦。レッズのホーム埼玉スタジアムはほぼ満員の盛況ぶり。浦和は外人DFが欠けて内館と堀之内がDFに入り、エメルソンと田中の2トップによる3-5-2で、ガンバもDFに山口と実好が復帰して右サイドに二川を入れた3-5-2のマッチアップ。
試合の序盤はややガンバペース。得意の細かいパス回しで浦和陣内に進入してポゼッションを握る。浦和はとにかくエメルソンにボールを集め、それでもエメルソンはマークの甘いガンバディフェンスを振り切ってシュートを撃つのだが、とりあえず撃っておけといった形のものがほとんどなのでさほどガンバへの脅威にはならない。
10分を過ぎると今度は田中がスペースに飛び出す形が出始め、オフサイドになりはしたもののクロスに長谷部が合わせてエメルソンがゴールへ入れた惜しいシーンを作る。そこからは一気に流れは浦和のものになり、高い位置からのプレスでボールを奪って早い攻撃を仕掛けるようになるのだが、崩しきる前にシュートを撃ってしまう場面が多くて得点にならない。ガンバも、少ない回数ながらアラウージョやフェルナンジーニョが前を向いたときには確実に浦和ゴールまでボールを運び、何とか踏みとどまる姿勢を見せる。
そして試合が膠着状態に入ってしばらくした32分、浦和はショートコーナーからの三都主のクロスがガンバの選手に当たり、コースが変わったところにフリーでいた堀之内がダイレクトで蹴り込んで先制点を決める。この場面もガンバディフェンスの集中力が欠けてしまっていた。その後はやはり浦和がペースを握るのだが、エメルソンを筆頭にどうにもシュートを撃ち急ぐシーンが多く、「無駄な鉄砲」というフレーズが頭をよぎる。そして前半はそのまま終了。
後半になるとガンバは前半は守備に忙殺されていた家長を下げて吉原を入れて3-4-3に。試合は両チーム共にピッチを広く使おうとする姿勢が見え始め、ガンバが早速それで結果を出す。4分に、フェルナンジーニョが左サイドでボールをキープし、フォローに来た遠藤に渡してそこから左サイドの裏に抜けたアラウージョにスルーパス、アラウージョはそこから中に切れ込んでシュート、これがきっちりとファーサイドに決まってガンバが同点に追いつく。
その後は前でポゼッションするガンバ、カウンターの浦和と言う色の違いはあるものの、前半とは違って両チームともに互いにサイドをうまく使うために、攻守の切り替わりの激しい一進一退の攻防が続く。その中で浦和は長谷部、ガンバは二川に決定的なチャンスが来るのだが得点にならず。ここで浦和は永井と岡野、そして細貝を入れて勝負に出る。しかし、互いに中盤が空いてきた割に守備の集中力は衰えず、どちらも紙一重のところで攻撃を防ぐ面白い展開が続く。ガンバはロスタイムに二川のクロスからフェルナンジーニョがヘッドで合わせる決定的な場面を作るが、ボールは地面に当たって高く舞い上がってゴールを超えてしまい、そこで試合は終了する。
浦和はエメルソンを始めとしてコンビネーション皆無の個人技に走りまくった前半、ガンバはマークが甘くて守備の役割分担がはっきりしなかった前半と、互いに悔いが残る内容の試合だったと言える。また、両方ともDF陣が定まっていない影響があるのかボールの奪いどころがはっきりしないために、完全に相手を押し切る事が出来ず、それが結果的に運動量がやたらと多くなってラストプレイの精度を欠いた面もあったように思う。ポテンシャルはあるだけに、これからの立て直しを期待したい。