J2第4節 札幌-仙台(0-3)

昇格を目標にしながら都並新監督の元で調子が出ずにスタートダッシュが出来なかった仙台と、財政面の問題で若手への急激な交代を強いられながらも、柳下監督の辛抱が身になってきている札幌という対照的な両チームの対戦。札幌は掘井と中山元気が2トップの3-5-2で、仙台は怪我人などでスタメンが4人代わって何と財前が2トップの一角に入った4-4-2という布陣。
試合はホームの札幌が試合を完全に支配する。堀居や砂川の積極的なフリーランを中心として、ボールと選手が実にスムーズにつながり、仙台に対して雨あられとサイドからクロスを浴びせるのだが、FWに高さが無いのとそれをカバーするクロスの精度が無くて、とりあえず中央だけを固める仙台の守備を崩す事が出来ない。
仙台は、まったくどこぞの代表と同じような有様で、4バックと中盤の連動性が無くてプレスがかからず、ボランチとDFラインの間にスペースを空けては札幌にボールをつながれ、かろうじて低い位置でボールを奪っても、選手それぞれに約束事も連動性も無いのでただ横パスやバックパスを繰り返し、遅攻の果てに苦し紛れの長いボールを出しては簡単に札幌に跳ね返されるという悪循環のみ。
35分ぐらいからはようやく札幌も攻め疲れが出たのかペースが落ち、やや仙台が盛り返し始めるものの得点の可能性を感じる攻撃が出来ないままに前半は終了する。
しかし後半が始まって5分にいきなり試合は動く。仙台が今日初めてといえる中盤の清水が前線に飛び出し、ワンタッチで裏に出されたパスを受けたところで札幌の池内に体で止められPKをゲット。池内はこれで一発レッドで退場してしまう。PKは財前が難なく決めて仙台がワンチャンスで先制する。
その後は仙台が当然ペースを握ってパスを回すのだが、札幌も鋭いカウンターとセットプレイで惜しいチャンスを作って対抗する。しかし23分に、右の深いところからの財前のFKをフリーでいた三田が角度の無いところからヘッドを決めて2点目をゲット。そして39分にカウンターから最後は関口がフリーになって、ゴール前に切れ込んで3点目のシュートを決めて試合はこれで決まり。後は仙台が守りきって初勝利を決めた。
結果としては3-0という大差になりはしたものの、チームの出来としては逆のスコアになってもおかしくないだけの差があったと言える。それだけに、札幌の決定力不足と一度のミスでの退場が本当に札幌にとって惜しまれた。もちろん札幌はこれで下を向く必要は無いし、仙台は勝ったとは言え、これでは昇格を狙うだけのチームになったと胸を張れるところまでには行けてないという事をしっかりと反省、改善して行かなければならないだろう。