欧州CLベスト16第2レグ インテル-ポルト(3-1)

ポルトホームの第1レグを1-1で折り返した後の第2戦。インテルは失点さえしなければ勝ちぬけとあって、ヴェロンとスタンコビッチを両SHに置き、守備にも良く働くフリオ・クルスをFWの一角に配した守備重視の4-4-2を選択、そしてもう一人のFWはアドリアーノ。ポルトは2トップの下にジエゴ、マニシェ、コスティーニャの3人の中盤を置いた実質5-3-2でこれまた守りを固める布陣で臨む。
試合はまずインテルが長いボールを前線に送り、そこに激しいプレスをかけてボールを奪う形でペースを握る。ポルトはポルトガルらしいパス回しで何とかプレッシャーを回避しようと努力を見せるも、6分に早くもその目論見は崩壊する。
ポルトは自陣での横パスをミスしてしまい、それを拾ったアドリアーノが持ち込んでシュート、ジョルジュ・コスタは何とかスライディングで防いだものの、シュートのあまりの強さにボールは高く跳ね上がり、これがポルトゴールに吸い込まれるというあり得ない得点を決められてしまう。
しかし、その後はインテルは安心したのかすっかり引いてしまい、ポルトがボールを支配する展開に。だが、2トップまでボールが届く事はほとんど無くてジエゴらの中盤がセンターライン付近でうろうろするだけで、ポルトはほとんどシュートチャンスを作れない。逆に、インテルが3バックの横のスペースに張ったアドリアーノへの長いボールを有効に生かしてカウンターのチャンスを作る。こうして試合は膠着したままで前半を終了する。
後半になると、ポルトは機能していなかったFWのクラウディオを下げてクァレスマを投入する。クァレスマは1トップからやや下がった場所に位置して積極的にボールを拾い、出来たスペースにジエゴがからんでシュートの場面を量産する。が、15分を過ぎるとポルトのペースが落ち始め、インテルがラインを高く上げられるようになり、5人が1列に並ぶポルトDFラインの前で自由に攻撃を仕掛け始める。
そして何度か決定的なチャンスを作った後の18分、バイタルエリアでボールを持ったフリオ・クルスからのスルーパスを受けたアドリアーノが、2人のDFを切れ込んで交わした後に強烈なシュート、これが見事に決まってインテルが2点差を付ける。
ポルトはここでポスティガを投入して4バックにし、一気に攻撃モードに入る。そして24分に左からのCKが人に当たってコースが変わったボールをインテルGKトルドがファンブル、これをジョルジュ・コスタが押し込んでポルトが1点差にし、ポルトがあと1点を取ればアウェイゴールで逆転という状況になる。
ここから試合は白熱し、1対1での争いが激しくなってファールの場面が多くなる。しかし1対1ならばインテルの方が有利なのは明白。インテルはポルトの高いラインに対して何度かオフサイドに引っかかるものの、右サイドから裏に抜けたアドリアーノがまたもドリブルから弾丸シュートをポルトゴールに突き刺し、これで試合は完全に決まる。あとはインテルが無難にやり過ごし、CLベスト8に駒を進めた。
インテルはまずい試合運びをポルトのミスとアドリアーノの超人ぶりに何とか救われた格好。ポルトは先制点を奪われるミスと、あと1点というところでインテル相手にパスを回さずにあせって個人勝負を仕掛けてしまった戦略ミスという二重の失敗を犯してしまったことが悔やまれた。