ブンデスリーガ バイエルン・ミュンヘン-HSV(3-0)

HSVは後半戦開始から王者を相手にしての試合。2トップは高原とムペンザの2トップの下にバルバレス、左MFには移籍してきたトロコフスキーが入るダイアモンド型の4-4-2。バイエルンはマカーイとピサロの2トップの下にバラックが出場停止のためにショルが入ったこちらも同じ形の4-4-2で、左SBにはトルシエにマルセイユを追い出されたリザラズが早速入る。
試合は拮抗した展開で始まる。両チームとも中盤が非常にコンパクトでしかもワンタッチでの確実なパス回しを見せるために、試合があまり途切れない割にはゴール前でのシーンが少ない。HSVは新加入のトロコフスキーが活発な動きと足技を見せ、中盤での戦いを互角に持ち込んでいる。
だが、8分にリザラズが怪我で交代、そのすぐ後にトロコフスキーも怪我で退いてしまうと、選手個人のキープ力に勝るバイエルンが徐々に押し込む展開になる。HSVも、バイタルエリアを空けない守備とパス回しで何とか対抗するものの、バイエルンの中盤守備が非常に強力で、中盤選手がフリーでボールを持つ事が出来ず、たまに裏にムペンザが抜け出す場面があるだけで、高原も苦しいポストプレイを強いられるのみ。
それでも19分にはCKからバルバレスがヘッドでバイエルンゴール右上に飛ばすのだが、カーンが超人的な反応を見せて左手一本で防いでしまう。逆に、21分に今度はバイエルンが右からのFK。これをHSVのGKピーケンハーゲンがかぶってしまい、ピサロにDFの上から押し込まれてしまう。
HSVも35分ごろから、やや中盤でのプレスが落ちたバイエルンに対してボールをキープできるようになるが、PA外でボールを回してもバイエルンのマーキングがなかなかずれてくれずにシュートまで持ち込めない。前半終了間際にゴール前の浮き球をキープした高原が切り返しからシュートを撃つが、これもカーンに弾かれてしまう。
そして後半開始早々にバイエルンが追加点。HSVのPA前でボールを受けたシュヴァインシュタイガーがドリブルからワンツーで抜け出し、カバーに入ったDFの後ろから足を伸ばして触ったボールがゴールにうまく転がってしまう。そして高原は9分にモレイラと交代。しかしそのすぐ後にHSVのラインの崩れを見逃さず裏に抜け出したマカーイがループシュートを決めて試合はこれでほとんど決まり。
あとは互いに散発的にチャンスを作るものの、バイエルンが余裕を持って試合をコントロールしてそのまま終了。結果的にはバイエルンの完勝に終わった。
HSVもチームとしては良くまとまっていたのだが、組織力や個人能力、そしてミスの少なさでバイエルンの方が勝っていたのでは勝ち目は無かったというところだろう。トロコフスキーの怪我も不運だった。高原については、今日のバイエルン相手では仕方ないとは言え、前半の終了間際のシュート以外はいいところが無かった。モレイラもセンスを感じさせる働きをしていただけに、是非次はホームで名誉挽回をしてもらいたいところ。